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デスクトップ向けのIntel CPU微細化のお話

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錦です。

Intelは、ようやくIce Lakeで10nmの移行に成功しました。まずはノート向けからスタートです。しかし、デスクトップ向けには全くそんな話題はないんです。

Intel 10nm

Intelの10nmは、もともとはSkylake後、Kaby Lakeだとか、Coffee Lakeのあたりで移行される予定でした。しかし、度重なる問題などで10nmの移行は延期に延期を重ね、第7/8世代で移行予定だったものは、第10世代まで持ち越しになる始末。いや、実際に第8世代で10nmの製品は一つありました。i3-8121Uという。あってないような空気みたいな存在になりましたが。

そして、ようやくお披露目になった10nm。コアもSkylakeからSunny Coveに生まれ変わりました。

そもそもなぜIntel 10nmは遅れたのか

そもそもの話、なぜIntelだけがこの10nm移行に遅れたのでしょうか。この遅れている間に、TSMCSamsungHuawei までもが7nmまで微細化に成功しています。その理由は単純で、線と線との間のピッチです。TSMCSamsungなどは、このピッチがIntelよりも広くとられています。ここでIntelが遅れたことと関係づけると、ピッチが狭いと開発が難航するという理解ができると思いますが、単純に、ピッチが狭ければ狭いほど、回路が破損して、電気がショートカットしてしまうという問題が発生しやすくなります。

Intelは、このピッチを狭くしようとしているわけです。狭くすればどうなるのか。プロセッサを小さくできるわけです。そもそも、微細化の大きな目的の一つは、チップを小型化することにあり、ピッチが広い=余白が多い=本体を小さくできるものが大きくなってしまうということです。

Intel 10nmの欠点

Intel 10nmには大きな欠点があります。確かに、ピッチを狭くして他のメーカーの10nmよりも性能はよくなりました。しかしながら、ピッチが狭い分、抵抗などの問題が発生し、Sunny Coveでは4.1GHzまでしかクロックを上げることができません。実際には上げることができるのでしょうが、おそらくそれ以上上げると回路がショートとかして破損する可能性が高いということでしょう。

回路自体の耐久に限度がある場合、いくら冷やしてオーバークロック仕様が、4.1GHzまたはそれを少し超えたあたりのクロック以上のオーバークロックはできませんというかしたら壊れます(そもそもアンロックモデルが出てないのでしようもありませんが)。

第10世代プロセッサ

第10世代のCoreプロセッサには第8世代同様複数の開発コードが存在します。さすがに第8世代ほど多くはありませんがすでにIce LakeとComet Lakeがあります。このうち、Ice Lakeは10nm、Comet Lakeは14nm+++です。一応補足ですが+の数はその太さで最適化された回数ということになります。

そして、Intel Coreのメインというか顔となるのはもちろん、デスクトップ向けのプロセッサです。Kとか無印とかTとかっていう Sシリーズというプロセッサです。第10世代のデスクトップ向けSシリーズは、Comet Lakeになります。14nmです。つまりこれどういうことかというと、デスクトップ向けの10nmはまだ先になるということになります。

デスクトップはパス?

そして、出ているリーク・噂では、Intel 10nmはデスクトップにはローンチされないということです。じゃあデスクトップはこのままずっと14nmなのかといわれるとそうじゃなくて、もちろんIntelはその先7nmに関しても開発を進めています。10nmはパスして一気に7nmまで微細化するのではないかという話です。

現時点でComet Lakeの先の開発コードが出たりしているのですが、Rocket Lakeというものが噂されており、これも14nm(14nm++++?)になると見られています。そして、この記事の執筆中にも、Intelのデスクトップ向けの10nmはパスされたという情報が出ており、デスクトップ向けIntel 10nmは絶望という状態になっています。

では、その7nmいつ登場するのか。

それは2022年とされています。2022年に登場するMeteor Lake世代のCPU。つまりかなり先。一応、今後流れをまとめると

  • すでにIce Lake(モバイル向け)が登場 これは10nm
  • Comet Lake-U(モバイル向け)も登場 これは14nm
  • 2020年頭にComet Lake-S(デスクトップ向け)が登場 これは14nm
  • 2021年にRocket Lakeが登場 これは14nm
  • 2022年にMeteor Lakeが登場 これが7nm

という感じ。10nmの時間稼ぎにKaby LakeやCoffee Lake、Comet Lake-Refreshが投入されたように、つぎは7nmへの時間稼ぎにComet LakeとRocket Lakeが投入されるという流れになります。

Xeonでは

XeonとCore。関係上で言えば、ワークステーション向けのXeonは、これまで話してきたことと同じことが言えます。しかし、データセンター向け、開発・研究向けXeonはそうではないと見られています。

そもそも、デスクトップ向けの10nmを諦める原因がピッチの話と4.1GHzの制限であり、コア数で言えば制限は基本的にないわけです。なんなら微細化したおかげでコアが搭載しやすくなってるし。

Xeonで搭載される可能性が高いのは スケーラブルプロセッサ。データセンター向けですね。これは、現時点でCascade Lakeが採用されていますが、さほどクロックも使わない、現時点でのラインナップに4.1GHzを超えるモデルは存在しないということから、最適です。クロック変わらなければ性能も変わらないと思われがちですがそうではなく、Ice LakeのSunny Coveコアは、従来のSkylakeコアよりもPCI(クロックあたりの性能)は高く、同じ4.0GHzでも性能はIce Lakeのほうが高いというのが事実です。

まとめ

今回の記事をまとめると

  • Intel 10nmには4.1GHzまでしか出せないという欠点がある
  • また、ピッチも他のメーカーより狭い=クロックを上げると壊れてしまう可能性が高い
  • これらの欠点はパワーを求めるデスクトップでは適さない
  • よってデスクトップに向けた10nmは絶望
  • デスクトップに向けた次の微細化は2022年のMeteor Lakeで7nmそれまでは14nm=デスクトップ向けに10nmはやってこない
  • ただ、10nmはデータセンター向けのXeonに採用される可能性が高い

とまぁこんな感じになるかと。実際にRocket Lakeとか、Meteor Lakeとかの話は出てきたときに話すとして、第10世代ではComet Lakeがメイン。Ice LakeはIntel 10nmの導入編(起承転結の起みたいな、例えが悪いか)といったそな感じです。

ただ、Rocket LakeとかでSkylakeにかわるアーキテクチャの更新があれば、14nmでもそれなりに性能アップ(主にIPC)が期待できるのになと言う。。。Intelからしてみても、AMDみたいにTSMCのようなピッチの広い微細化なんて採用できるか というプライドと、無理やり10nmをデスクトップにもたらすリスクが重なった結果の判断だとは思いますが。Intelがなにげに力を入れているiGPUの変革の話についても近々また更新しようと思います。

ちょっと、オチが腑に落ちないので、久しぶりのこのコーナー。というか報告ですね。

今週半ばからちょっとの間、日本にいません。一応 台北?に行く予定で、ネット環境もどうにかする予定ではありますが、16/17あたりの情報がどうしても、とくに明日のMade by Googleの記事が出せない可能性が高いです。いや、出せたとしても簡易的な感じで、しっかり書けるのは21日とかそんな感じになるかな。一応報告まで、書き置きしてる記事がいくつかあるのでそれを上げていこうかと。もしものために予約投稿で(苦笑) 長めの記事になりましたが、ご閲覧ありがとうございました。