錦です。
今秋登場と見られる5G対応のiPhone 12シリーズですが、Fast CompanyアンテナモジュールはApple独自設計のものを採用すると報じています。
モデムチップは、既報通りQualcommのX55モデムを採用するようですが、QualcommのアンテナモジュールがAppleの審査に適合しなかったためApple独自設計のものになるようです。ただ、バックアップとして、Qualcommのアンテナモジュールを採用する設計も開発されているようで、前者の場合より、後者の場合のほうがiPhoneの厚みが増すようです。
Appleがこのような開発を行っている理由として、設計上の理由というのもあるようですが、Qualcommの部品をできる限り少なくしたいという考えもあるようです。ただ、mmWave向けのアンテナは、他のアンテナよりも開発が難しく、かつiPhoneに採用されるフェーズドアレイアンテナは、アンテナ動かさずに様々な方向に電子的にビームを誘導できるものの、モデムチップとアンテナモジュールの密接な連携が必要で、これらが別々の開発者だと連携が薄くなり、設計全体の難易度が上がったり、5Gのパフォーマンスに影響が出る可能性があるとのことです。そうじゃなかったら、バックアップを嫌いな企業の部品で開発しませんしね。
Appleの独自モデムチップについては、2021年~2023年のうちにQualcomm製から置き換えられるものと考えられています。