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まもなくGeForce RTX 30シリーズのすべてのモデルでマイニング制限が導入か ~ やはりRTX 3080 Tiも制限・5月から出荷か

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錦です。

Wccftechによると「GeForce RTX 30」シリーズにおいて、まもなく全モデルでマイニング制限が導入される可能性があることがわかりました。すでに流通している分には影響はありません。

コアの変更

NVIDIAはRTX 3060を皮切りにマイニング性能の制限を行うことを明らかにしています。実際、RTX 3060では最大50%のマイニング制限が導入されています。現状、この制限が導入されているのはGeForce RTX 3060飲みですが、NVIDIAが誤リリースしてしまったマイニング制限回避ドライバや、改造されたドライバによってこの制限はすでに突破されています。

昨日、GeForce RTX 3060用に、既存のドライバを利用することができない新しいGPUコア「GA106-302」が予定されていることをお伝えしました。これは、前述の改造ドライバなどを含む既存のドライバが動作しないものとなっていて、マイニング制限回避対策という形での導入となっているものです。それに加えて、「さらなる仕組み」が導入されていると伝えられていました。この仕組についての詳細は後述します。

「GA106-302」は5月販売分から順次導入されていくことになっていますが、RTX 3060以外のGPUでも同様の変更が加えられる可能性があります。具体的には「GA106-302」同様のGPUコアの変更です。

こちらはkopite7kimi氏が昨日の「GA106-302」の情報を伝えるVideoCardzの記事を引用ツイートしたものになっていて、GA104やGA102でもGA106同様の変更がある可能性があると指摘しています。

つまり「GA106-300」が「GA106-302」と変更されたように、RTX 3060 Tiの「GA104-200」、RTX 3070の「GA104-300」、RTX 3080の「GA102-200」、RTX 3090の「GA102-300」がそれぞれ「GA104-202」「GA104-302」「GA102-202」「GA102-302」のように変更される可能性があるということです。これらのコアは変更前と比較してもマイニングにかかる部分を除いてCUDAコア・クロック・メモリ・RTコア数などに変化はなく、あくまでもマイニング規制のためにアップデートされることになります。

これらのコアも「GA106-302」と同様に既存のドライバが利用できなくなるという制限が導入されています。

マイニング制限にはドライバに依存しないさらなる制限が導入されています。その制限の話の前にとりあえずRTX 3080 Tiのお話をしておきます。

RTX 3080 Ti

5月に登場することが噂されている「GeForce RTX 3080 Ti」ですが、このGPUも例にもれずマイニング規制が導入されると見られています。RTX 3080 TiのGPUコアは「GA102-225」となっているようですが、このコアにはまだ規制が導入されておらず、マイニング性能がフルで発揮されているそうです。

もちろん「GA102-225」はこのまま製品化されることはないようでマイニング制限がかかったGPUコアに置き換えられます。命名規則を見るとGPUコアの一番最後の番号が「非制限コア+2」になっているコアが制限導入コアになっているようなので「GA102-227」になるとみるのが妥当でしょうが、これについてはまだ何も情報がありません。仮にこのコアを「GA102-22x」という風な形で置き換えて今回は話を進めます。

「GA102-225」は既存のドライバ v470.05 BETAでも動作しているとのことですが、「GA102-22x」は既存のドライバでは動作しないそう。この部分は前述のすでに発売されているGPUと同じ措置になっているようです。で、繰り返しになりますが、実際に量産されているのはこっちの「GA102-22x」とのことで「GA102-225」はサンプルのみで終了しました。

ちなみに、今の所「GA102-225」が「GA102-22x」に変更されたことによる仕様の変更は確認されていません。

具体的な仕組み

今回のマイニング制限の仕組みです。

まず、前述の通り既存のドライバでは動作しません。これによって、同社が誤リリースした制限回避ドライバや、すでに制限が突破された改造ドライバを使ってマイニングすることだけでなくGPUを使うこともできません。

以上がドライバに依存するマイニング制限。Igor's LABが別の制限を報告しています。その制限はマイナーからすると厄介な制限になるそうです。

その制限とは、古いBIOSファームウェアGPUを動作させるとブラックスクリーンになるというもの。

簡単に例を上げて説明すると「GA104-300」は「GA104-302」のファームウェアでも動作するものの、「GA104-302」は「GA104-300」のファームウェアでは動作しません。デバイスIDが変わらないということはドライバを別でアップグレードする必要はありません。で「GA104-302」のファームウェアはマイニング制限が導入されているので...(以下省略)。ということです。つまりファームウェアは「GA104-300」→「GA104-302」の一方通行なわけです。

厳密には違うかもしれませんがだいたいこんな感じだと思います。ちなみにこれがおそらく「さらなる仕組み」のことと思われます。

まとめると、新しいGPUコアの制限は「既存のドライバが使えない」というものと「既存のファームウェアが使えない」というもの。すなわち、マイニング制限が導入されたあとのドライバとファームウェアで使うのが前提という風になっています。ただ、遅かれ早かれこの制限も突破されることになりそうですが。

なお、今回の制限についてはすでに流通している部分や、実際に制限コアが流通する前までに流通する個体には影響しません。で、おそらく無言でマイニング制限を導入したコアに変更すると「故意的にパフォーマンスを調整(劣化)した」という風に訴えられかねないので何らかのアナウンスがなされると思います。

タイミングは、RTX 3080 Tiが登場するタイミング=「GA106-302」の出荷のタイミングになると見られていて、その他のモデルも同じタイミングでGPUコアが変更になるのでしょう。