錦です。
米国で行われていたEpic GamesがAppleを訴えた訴訟で、遂に第一審の判決がくだされた事がわかりました。日本経済新聞が報じています。
Appleに外部決済を許可するよう命令
米連邦地裁は、Appleに対してすべてのアプリでApp Store以外の外部の決済方法を許可するように命令しました。先日、日本の公正取引委員会との合意の中で、動画や音楽、書籍などのリーダーアプリケーションと呼ばれるアプリを対象に、アプリ内に自社の決済サービスへのリンクを含めることを許可することと、それが日本だけでなく全世界に適用することを明らかにしました。
形的には、この合意をリーダーアプリから、対象外となるゲームを含む全アプリに広げるということになるみたいです。直接アプリ内からの決済を命令したものではないです。
ちなみに、これまではアプリ内にそういった外部での決済方法への道を用意するのも難しかったようです。
この命令は両当事者からの異議が認められなければ90日後に発行するとのこと。ただ、Epicは不服そうなのでまだ先かなぁ。
ただAppleに有利な判決
このようにAppleに外部決済を「容認」するように命令がくださっれましたが、その他の判決は割とAppleの主張が認められる形となりました。
まず、Appleが連邦または州(カルフォルニア州)の反トラスト法(独占禁止法)には抵触しないという判断がなされました。
また、Appleに対してApp Store以外のアプリ配信市場の許可を要求していましたが、それも認められませんでした。
Epicは控訴する見込み
今回の判決を受けてAppleは声明の中で「本日、裁判所はアップストアが独占禁止法に違反していないという、我々がずっと前から知っていたことを確認した」と述べました。命令に異議を申し立てるかは明記していないそう。
一方、Epic Games側は、CEOであるTimothy Sweeney氏がTwitterに「きょうの判決は開発者にとっても消費者にとっても勝利ではない」と投稿し、「我々はこれからも戦い続ける」とも続けて、控訴する考えを示唆しました。
Appleの譲歩続く
ここ最近、Apple自身の譲歩や国政府や関連機関による法律の制定などが相次いでいます。
例えば、Appleは譲歩のために中小企業向けに手数料の減免を発表しています。
その他、日本の公正取引委員会ともリーダーアプリケーションについて外部決済システムへのリンクを許可する合意を果たし、全世界でリーダーアプリケーションの外部決済システムへのリンクの貼り付けを許可しました。このエントリで取り上げている米国の判決はこれを拡張するものになります。
また、韓国ではAppleやGoogleのようなプラットフォーマーが自社の決済システムの利用を強いることを禁止する法案が可決されました。