Nishiki-Hub

国内外のPC/PCパーツ/スマホ/Appleなどの最新情報を取り上げています

Zen 3ベースのRyzen Threadripper PRO 5000シリーズ「Chagall」の詳細な仕様が明らかに 〜 最上位「Ryzen TR 5975WX」は64コア 280W TDPに CESで登場

f:id:doskokimeil127-dosd:20211001210552p:plain

錦です。

Igor's LABがZen 3ベースのThreadripper「Chagall」のうち、Ryzen Threadripper PRO 5000番台となるラインナップの仕様を明かしています。

仕様

ではその仕様を見ていきます。

f:id:doskokimeil127-dosd:20211224012118p:plain
出典:Igor's LAB

これを表にまとめました。

5995WX 5975WX 5965WX 5955WX 5945WX
コア/スレッド 64C/128T 32C/64T 24C/48T 16C/32T 12C/24T
最大クロック 4.55GHz 4.55GHz 4.55GHz 4.55GHz 4.55GHz
TDP 280W 280W 280W 280W 280W
P0クロック 2.7GHz 3.6GHz 3.8GHz 4.0GHz 4.1GHz
P0電力 255W 260W 235W 195W 170W
P1クロック 2.25GHz 2.70GHz 2.80GHz 1.90GHz 2.94GHz
P1電力 229W 190W 171W 1152W 138W
P2クロック 1.8GHz 1.8GHz 1.8GHz 1.8GHz 1.8GHz
P2電力 212W 159W 142W 131W 121W
FMINクロック 0.55GHz 0.55GHz 0.55GHz 0.55GHz 0.55GHz
FMIN電力 168W 138W 124W 119W 112W
L2キャッシュ 32MB 16MB 12MB 8MB 6MB
L3キャッシュ 256MB 128MB 128MB 64MB 64MB
メモリ DDR4-3200 DDR4-3200 DDR4-3200 DDR4-3200 DDR4-3200

モデル名は予測に基づくものです。

Ryzen TR 3000同様に64コア・32コア・24コア・16コア・12コアというラインナップになりました。型番に秋があり間隔も広いので48コアモデルがありそうな雰囲気ですが、同じことがRyzen TR 3000番台でもあったのに未だに48コアの「Ryzen TR 3980X」みたいなモデルが出てないのでないのでしょう。

クロックはおおよそ最大クロック以外は各電力段階での最大クロックを指していると見られます。TDPはデフォルトで変わらず280Wとなっています。コンフィグラブルTDPのような感じで、結構段階的にクロックが指定できるようになっています。これは嬉しいユーザーもいるのでは(特にマイナーとかサーバーとか)。

ソケットはRyzen PRO 3000WXシリーズとかわらずsWRX8となると、WRX80チップセットでそのまま使えるのでしょうか?だとすると、この表からではわからないPCIeやメモリの仕様もわかり、PCIeはGen 4が128レーン、メモリが8チャネル16レーンになります。おそらくメモリの最大容量は2TBなのでしょう。

L3キャッシュは最上位である5995WXが256MBでこれは3000シリーズと変わりません。Threadripperでの3D V-Cacheは直近で投入される予定はない様子(Chagall-X自体はどこかで聞いたような記憶があります)。

あと、中のCCDのはなしになりますが、L3キャッシュを見る限り、5995WXは8つのダイがすべて有効に、5975WXと5965WXが4つ有効に、5955WXと5945WXが2つ有効になっているみたい(これはあくまでのすべてのCCDで全コアが有効になっている場合の計算)。

PROなしモデルは・・

現状PROのないChagallは全くリークされていません。正直これについては「存在しない」という可能性が高いです。

そう考えるに至る理由はいくつかあります。

1つ目はリソース。昨年から続く半導体不足はAMDにガッツリ影響を与えており、PROじゃないThreadripperを作る容量がないという問題。

2つ目は自社での競合となってしまう可能性。Ryzen Threadripper PROは業務向けかつ基本的に個人向けの製品ではありません。Intelで言うところのXeon Wに近い製品です。に対して、Ryzen Threadripperは個人もターゲットにしている製品です。IntelでいうとCore Xのようなもの。ただ、その個人向けのThreadripperとRyzen 9が競合する恐れがあります。初代Threadripperはたしかにコア数で大きなメリットが有りましたが、徐々にRyzenもコア数が増えていった結果現在は16コアまでコア数が増加しています。多くの場合この16コアで需要が満たせてしまうためThreadripperは必要ない(誤解を恐れず言えばターゲットがかぶっている)と考えられます。

正直、無印Ryzen ThreadripperとCore Xは、メインストリームの「Core」と「Ryzen」がコア数を一気に伸ばしている中でターゲットが重なっているという状態で、実際Core Xと競合しているのはThreadripperではなくRyzen 9だったり、Alder Lake-SでP/Eに分かれるとはいえ、24スレッドのCPUがある事で大方の需要はこなせるわけです。で残るもっと上の部分はRyzen Threadripper PROなりXeon Wなりが埋めることで解決と。多分Intel AMD双方でその流れができています。

関連リンク