錦です。
Coelacanthe's Dreamが、GitHubのSound Open Firmware (SOF) Projectのリポジトリ「Linux」のIssueに投稿されたIntelのVamshigopal氏の投稿についてまとめています。
多分、詳細は元のCoelacanthe's Dreamのほうがわかりやすいと思います。
Alder Lake-N
このIssueでは、Alder Lake-Nと見られるES品のブートログが公開されているようです。CPUIDは「0xBE(190)」であるそう。これは既存の情報と照らし合わせてAlder Lake-Nであると断定できるそう。
Alder Lake-Nは、Alder Lakeの一部ではあるものの、Core系統ではなく、Alder LakeのEコア部分であるGracemontのみで構成されているラインナップであるそう。ということは、「Alder Lake-S/H/P/U」が「Rocket Lake」あるいは「Tiger Lake」の後継であるのに対して、Alder Lake-Nは、Tremontをベースとしている「Jasper Lake」や「Elkhart Lake」の実質的な後継であると言えます。
Alder Lake-Nは最大8コア/8スレッドで構成される事になっているそう。Gracemont自体がHTTに対応しない事もあって、8コアに対するスレッドも8スレッドということになります。
また、こちらもAlder Lake-S/H/P/Uと同様に、コアの構成も4コアごとにL2キャッシュを共有するクラスタが2つで8コアとなっているそう。
内蔵GPUはXe-LPを32 EUで搭載。Jasper LakeがGen11(Ice Lakeと同等)であったのでこの部分は強化されたみたいです。その他、Media・DisplayのIPの世代もAlder Lake-P/Mと共有しています。
Alder Lakeの安価帯を担う
Alder Lake-Nは、おそらくAlder Lake-UのEコア部分を切り取ったものになるでしょう。Gracemont自体が面積を占める率はかなり小さいので、8コアになったところでダイサイズが大きく増えるということはなさそうです。
iGPUについては、32 EUという小規模に抑えられながら、アーキテクチャはアップデートされた形になりました。32EUはおそらくAtom系列であることで妥当と言えます。Lakefieldがたしかに64EU搭載していますが、そもそもLakefield自体がCore系統・Atom系統の中間みたいな製品なので、Alder Lake-NがAtom系列であることを考えると、妥当なのは妥当なのでしょう。
というよりかは、Lakefield自体はその製造期間も含めてAlder Lakeのハイブリッド構成のテストみたいな感じだったのでしょう(某Cannon Lakeのように消える運命だったのさ・・・)。そもそも、Lakefieldのグレードについては、全く同じコア構成でAlder Lake-UのCeleronが担ってますし、わざわざ新しいラインナップでそのグレードを引き継ぐ必要はなかったので、廃止が妥当でしたね。
そして、またIntelのラインナップがわかりやすくなりました。捉えようによってはややこしくなったとも言えますが、これまではCore系統とAtom系統でそれぞれ別々のラインナップとなっていましたが、それがAlder Lakeで統一されることになるのは本当に素晴らしいことだと思います。
あと、インターフェイス周りの仕様は確かにCore系統より脆いですが、純粋な性能を見てもGracemontはComet Lakeを超えるともされているので、多少はAtom=低性能のイメージ脱却にはなるんじゃないでしょうか。ただ、Alder Lake-Uのほうが性能はいいけどねみたいな。
なのでAlder Lake-NはAtom系統のラインナップでAlder Lake-Uの更に下位モデルという考えで良さそうです。