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次期HEDT向けIntel CPU「Sapphire Rapids」の情報 〜 56コアモデルが登場する可能性・競合のZen 4世代Threadripperは96コアに

錦です。

Moore's Law Is DeadがSapphire Rapidsについて動画で話しています。

Sapphire Rapids-X

Sapphire Rapidsは、Golden Cove世代のXeon部分のラインナップです。具体的にはIce Lake・Cooper Lake・Cascade Lakeの後継となるシリーズとなります。そのSapphire RapidsのHEDT向けのラインナップが「Sapphire Rapids-X」です。

一応形的には、従来のCore Xと同じグレードのCPUということで「Cascade Lake-X」の後継でもあるのですが、Core Xは展開されずXeon Wのみで展開されます。

Xeon Wは3種類展開されていますが、そのうちSapphire Rapidsが担うのは上位2種類です。一つがメインストリーム、もうひとつがエキスパートです。Apple系の人ならiMac Proに搭載されたのが前者、Mac Proに搭載されているのが後者だといえばわかりやすいでしょうか。Core Xは前者です。

ちなみに、Alder Lakeで採用されている「Intel Hybrid Technology」は採用されず、Golden Coveのみで構成され、Gracemontも搭載されません。そのため、AVX-512に対応します。

メインストリーム

まずは下位となるメインストリームから。メインストリームは、前述の通りCore XやXeon W-2000シリーズとなるラインナップで、コア数もエキスパートほど多くはなく、ホームスタジオみたいな小規模なシステム向けです。

こちらは、MCCと呼ばれる最大24コア48スレッドのGolden Coveが搭載されたモノリシックダイで構成されます。MCCは後述のエキスパートで採用されるXCCダイに比べてAVX-512のユニットが少ないなどで、機能面でも差別化されています。

クロックは最大シングルブーストで5.0GHzを超え、5.2GHzに達するかそれを上回ることになるそう。一方で全コアブーストは4.4〜4.6GHz程度になるそうです。これまでこのグレードがシングルでも5GHzにのることはなかったので大幅な性能向上が見込まれます。

そしてこうなれば気になるのが消費電力ですが、「Processor Base Power」(TDP/PL1)は200〜300W、「Maximum Turbo Power」(PL2)は300〜400Wになるそうです。このグレードの現行最上位である「Xeon W-2295」(18コア)のPL1が165Wなので、消費電力の上昇は少なからずあるようです。

メモリは、ハードウェアとして4chの最大2TBのECC対応DDR5をサポートしますが、製品では最大512GBに制限される可能性があるとのこと。PCIeは64レーンのPCIe 5.0を搭載しているとのことです。

ソケットはLGA-4677。ピン数はサーバー向けのSapphire Rapids(-SP)と共通しており、ソケット自体も共有なのかな?

登場時期については、今年第3四半期になるようですが、大多数が第4四半期になるそうですね。そして、2023年には後継のEmerald RapidsのMCCにアップグレードされることになるそうです。

一つ気になるのは、Alder Lake-Xが先日噂に出た点ですね。こいつは一体・・・(Kaby Lake-Xみたいな感じになるのか?)。

エキスパート

そして上位となるエキスパート。こちらは、Xeon W-3000シリーズを担う部分で、コア数も多いです。Mac Proのようなハイエンドワークステーション向けのラインナップです。どちらかというと、Sapphire Rapids-SPに近い仕様を持ちます。

こちらは、最大15コア30スレッド搭載できるXCCと呼ばれるコアを最大4つ採用します。それで最大コア数は56コア112スレッド。4コア分無効化されてるのは制御面か歩留まりの影響だと思います。

特筆すべきは、このXeon Wがデュアルソケットに対応する可能性です。後述しますが、Zen 4世代のRyzen Threadripperは96コア192スレッド構成で登場すると見られており、コアの数だけを見ると、56C/112T vs 96C/192Tであり劣っているようにみえますし。

メモリは、ハードウェアとして8chのECC対応DDR5をサポートしますが、最大容量がどうなるのかは不明。PCIeは112レーンのPCIe 5.0を搭載しているとのことです。

ソケットはメインストリームやSapphire Rapids-SPと共通のLGA-4677。

登場時期は、今月末のCOMPUTEX TAIPEIで発表され、第3四半期の後半にリリースされるとのこと。販売タイミング的にはこちらのほうが早いみたいですね。

Ryzen TR 7000

動画のラストのほうでSapphire Rapids-Xと競合となる、Zen 4ベースのRyzen Threadripperの話題が登場。

Zen 4ベースのRyzen Threadripperも、5000シリーズと同様、Proモデルしか登場しない模様。単体での登場はないってことでいいのかな?

Zen 4以降ではEPYCは高性能サーバー向けのGenoa系と、多コアで低クロックでクラウド向けのBergamoにわかれますが、ThreadripperがベースとしているのはGenoaとのことです。

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