錦です。
Intelは、第12世代モバイル向けでは最上位となる「Alder Lake-HX」を正式発表しました。
Alder Lake-HX
Alder Lake-HXは、現行のモバイル向け第12世代Coreの上位「Alder Lake-H」よりさらに上位のCPUラインナップです。消費電力帯では55Wであり、これまでにはなかった消費電力帯です。
ダイにはデスクトップ向け「Alder Lake-S」と同じダイを採用。これにより、モバイル向けでは6コアにとどまっていたPコアが8コアまで増え、Alder Lake-HXでは、上位モデルで8P8EというフルスペックのAlder Lakeがモバイル向けで実現しました。
具体的なラインナップを見ます。
Pコア/Eコア | 総コア | スレッド | Pコア ベース |
Pコア ブースト |
Eコア ベース |
Eコア ブースト |
L3キャッシュ | PBP (TDP/PL1) |
MTP (PL2) |
iGPU EU |
iGPU ブースト |
vPro | OC | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
i9-12950HX | 8P8E | 16 | 24 | 2.3GHz | 5.0GHz | 1.7GHz | 3.6GHz | 30MB | 55W | 157W | 32 | 1.55GHz | 対応 | CPU制限あり |
i9-12900HX | 8P8E | 16 | 24 | 2.3GHz | 5.0GHz | 1.7GHz | 3.6GHz | 30MB | 55W | 157W | 32 | 1.55GHz | 完全 | |
i7-12850HX | 8P8E | 16 | 24 | 2.1GHz | 4.8GHz | 1.5GHz | 3.4GHz | 25MB | 55W | 157W | 32 | 1.45GHz | 対応 | CPU制限あり |
i7-12800HX | 8P8E | 16 | 24 | 2.0GHz | 4.8GHz | 1.5GHz | 3.4GHz | 25MB | 55W | 157W | 32 | 1.45GHz | 完全 | |
i7-12650HX | 6P8E | 14 | 20 | 2.0GHz | 4.7GHz | 1.5GHz | 3.3GHz | 24MB | 55W | 157W | 32 | 1.35GHz | CPU制限あり | |
i5-12600HX | 4P8E | 12 | 16 | 2.5GHz | 4.6GHz | 1.8GHz | 3.3GHz | 18MB | 55W | 157W | 32 | 1.35GHz | 対応 | CPU制限あり |
i5-12450HX | 4P4E | 8 | 12 | 2.4GHz | 4.4GHz | 1.8GHz | 3.1GHz | 12MB | 55W | 157W | 16 | 1.30GHz | CPU制限あり |
今回ラインナップされたのはi9/i7/i5で計7モデル。i7-12800H以上のSKUではPコアとEコアを8コアずつした16コア24スレッド構成で、Alder Lakeのフルスペックコアとなっています。フルスペックが実現しているのはCore i9-12900T/無印/F/K/KFしかありません。
前述の通りデスクトップ向けと同じダイを採用したということもあり、iGPUの規模は大幅に縮小しています。これはGeForceやRadeon、そしてIntel ArcのようなdGPUとの併載を前提としているためです。
Pコアのブーストクロックは5.0GHzに達し、i9-12900KやKSには劣るものの、それでもえげつない性能を持ちます。
性能
i9-12900HXと旧世代との比較では、Tiger Lake-Hの最上位「Core i9-11980HK」に比べてBlenderでの3Dレンダリングが81%高速に、ベンチマークソフトCrosMarkでのスコアが33%高いとしています。
このスコアは現行のどのモバイル向けCPUをも上回る性能で、Alder Lake-Hの「Core i9-12900H」はもちろん、競合の「Ryzen 9 6900HX」や「Apple M1 Max」を上回っています。
モバイル向けGPU最上位「GeForce RTX 3080Ti」と「Core i9-12900HX」に64GB DDR5-4800という最強モバイル仕様でのゲーミング性能では、
- 「Far Cry 6」で128fps
- 「Forza Horizon 5」で149fps
- 「Hitman 3:Dartmoor」で151fps
- 「The Riftbreaker」で142fps
- 「Tom Clancy's Rainbow Six Siege」で472fps
- 「Total War:Warhammer III-Battle」で114fps
となっています。
また、PコアとEコアの併用により、前面でUnreal Engine 5.0で作業しながら、バックグラウンドでblenderのCPU 3D Renderを行うと、Unreal Engine 5.0の変更の反映が4倍高速に、Blenderでのレンダリングが1.7倍高速になります。
搭載デバイス
搭載デバイスは、ASUS「ROG」「ExpertBook」、Dell「Precision」、Lenovo「Legion」、MSI、Gigabyte「Aorus」、HP「Omen」といった各ブランドから登場することが発表されています。