錦です。
iPadOS 16がWWDCで発表されましたが、iPadOS 16ではメモリスワップに対応しています。
仮想メモリスワップ
仮想メモリスワップは、ストレージの一部を仮想的にメモリとして使うことができる技術で、iPadOSでは、M1搭載のiPad ProとiPad Airでこの機能を使うことができます。なお、iPad Airでは256GBに限り使う事ができます。
iPadのメモリスワップは、負荷の掛かるアプリケーションに対して最大16GBのメモリを割ることができる事になっています。
アプリケーションの制限も撤廃?
iPadは最大16GBのメモリを搭載するモデルがあるものの、iPadではアプリケーションが利用できるメモリが大幅に制限されていました。
こちらは、16GBのメモリを搭載したiPad Proにメモリテストアプリを導入して検証されたMacお宝鑑定団の動画ですが、アプリケーションが5076MBメモリを使用した時点で、アプリがクラッシュしました。このように、アプリは5GB前後のメモリ制限を受けている可能性がありました。
しかし、仮想メモリスワップの搭載が明らかになった今回の発表の中で「負荷のかかるアプリケーションが最大16GBのメモリを使うことができる」という旨の発言があったということはおそらくこの制限も撤廃されているものと見られます。
機能への影響
このメモリスワップはiPadOS 16で追加されるいくつかの機能に影響するみたいです。
特に影響を受けるのはStage Managerになるようです。Stage Managerの必要な要件は、M1を搭載していることのようで、単純にメモリを多く要する可能性があります。ただし、仮想メモリスワップに対応しないiPad Air 64GBモデルにも対応するみたいなので、8GB以上のRAMが必要なのでしょうか。
参考までに、iPadとiPhoneの最新世代のメモリ容量は以下のとおりです。
モデル | 世代 | SoC | ストレージ | メモリ容量 | メモリスワップ |
---|---|---|---|---|---|
iPad Pro | 12'9 5th 11 3th | M1 | 1TB 2TB | 16GB | 対応 |
512GB 256GB 128GB | 8GB | ||||
iPad Air | 5th | M1 | 256GB | 8GB | 対応 |
64GB | 非対応 | ||||
iPad mini | 6th | A15 | 全容量 | 4GB | 非対応 |
iPad | 9th | A13 | 全容量 | 3GB | 非対応 |
iPhone 13 Pro | A15 | 全容量 | 6GB | 非対応 | |
iPhone 13 | A15 | 全容量 | 4GB | 非対応 |
どうやら、この機能の対象の建前は「仮想メモリスワップに対応する」ということみたいです。裏返し的な機能で言えば、この機能はいっぱいメモリを食うよということになるのですが。
ただ、これは単純に、デュアルディスプレイ時に最大8つのアプリケーションが並行動作するからと見られます。
これまでのiPadOSはSplitviewで最大2つ、Slide Overで3つ、Picture in Pictureで最大4つのアプリケーションが1度にアクティブになるということはありましたが、今度は最大8つのアプリケーションになるわけですから、これまで以上にメモリが必要なのは目に見てわかることです。3GBや4GBではたりないことはわかります。
あと、6GBのiPad Pro 2018/2020でもこの機能が使えないのは、単純にApple A12X/A12Zにデュアルディスプレイ用のアクセラレータがない、あるいは想定されていないからという可能性があります。