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【編集後記】Nintendo Switchがもしもアップデートされるならの考察

錦です。

ゲーム機の世代で話すと2020年からは新世代に突入したとも見れる市場。そんな中でNintendo Switchはかなり異色の存在となっています。今回は、そんなSwitchがPS5やXSXに対抗する機能をつけたらのお話。タラレバってやつ。

そもそも論

そもそもの話、SwitchはPlayStationXboxを明確な競合相手とはしていません。そう見て取れる点はかなり多くあります。

まず性能面。PS5やXbox Series S/Xはかなりグラフィックに力を入れているようですが、Switchはどちらかというと効率性や独自性に力を入れている気がします。そのため、近年加熱するPCゲーム市場との直接的な競合をさけることができているというのはSwitchの利点だと考えます。確かに、AAAタイトルのクロスプラットフォームマルチプレイ対応が進む中でSwitchだけ対応しないという例は少なくありません。これは、期待するグラフィック性能をSwitchが発揮できないからでもあります。

また、独自性を強めることで、ユーザーの囲い込みもできます。人気シリーズ「ポケットモンスター」「スプラトゥーン」「マリオカート」「スーパーマリオ」。これらのゲームは、Switch以外に展開されることがない独自の文化圏だと言えます。一方で、PlayStationであれば、例えば「龍が如く」は近年はSteamでWindows向けに移植されていますし、その他の多くのゲームもそうです。もちろんすべての任天堂コンソール発のゲームが任天堂ハードから飛び立っていないわけではありません。ただ、Switchでしか遊べないタイトルというのが多いというのがSwitchの魅力です。

性能不足は否めない

しかし、ゲームコンソールも時代の変化とともに性能不足が否めなくなってきました。

PS5やXbox Series S/Xが採用しているのはAMDのZen 2 CPUとRDNA 2 GPUを組み合わせたAPUで、ゲーミングデスクトップレベルの性能を持ちます。極めつけは、メモリが16GBと大容量かつGDDRでロードが高速であるというのも特筆すべき点です。一方で、Switchは、NVIDIA製のMarikoというコードネームで開発されたSoCが搭載されています。性能が悪いわけではありませんが、コア数が4コア、メモリも4GB LPDDRとPS5などと比べるとかなり劣っています。いくらNVIDIAGPUを搭載していると言っても、アーキテクチャMaxwell世代。RDNA 2から見ると4世代くらい前の競合製品です。

前述の通り、Switchは性能を求めているわけではありませんので、独自のゲームをターゲットにしたとすれば優れた判断だと思います。ただ、時代はクロスプラットフォームマルチプレイとなってきました。これではSwitchだけおいていかれることになります。

では、もしSwitchがアップデートされるならばどんな風になるのでしょうか。

前提

あくまで前提ですが、SwitchはNintendoという文字が入っていますが、ハードの中身自体はNVIDIAが担当しています。そのため、Switchシリーズである限り、任天堂が「NVIDIAやめるわ」をすることはできません(できたとしても特許絡みでたいへんめんどくさい事になりかねん)。

ということもあり、次期SoCもNVIDIA製であることがほぼ確定しています。

あと、NVIDIAは「Switch向け」と銘打ってアーキテクチャを作ることはありません。自動運転向けに開発したSoCをスケールしてSwitchに搭載することになります。

Orin

その前提の中でOrinというコードネームで開発されているSoCをご紹介します。

OrinはArm Cortex A78とAmpere GPUから構成されているSoCです。Cortex A78はQualcomm Snapdragon 888で採用されたCPUと同じもの。つまり数世代前のハイエンドスマホ並の性能を持つコアです。ただ、おそらくNVIDIAはbig.LITTLEを採用しないため、コア数は変わらず4コアになるでしょう。予算的にもそうなるはず。

GPUにはAmpere GPUが搭載されています。こちらは、GeForce RTX 30番台と同じアーキテクチャです。つまり、TensorコアとRTコアの両方を搭載あるいはサポートしています。Tensorコアとは、NVIDIA GPU機械学習を司る部分となっており、NVIDIA超解像度技術「Deep Learning Super Sampling」(DLSS)に必要なアクセラレータとなっています。RTコアは、レイトレーシングを司る部分で、Tensorコアと合わせてリアルタイムレイトレーシングをサポートします。

「搭載あるいはサポート」と表現した理由については、このOrinがTensorコアが搭載されているのは確定で、Switch向けにスケールされたときに生き残る可能性が高い一方、RTコアがそもそもOrinに搭載されていない可能性があるためです。

となれば、DLSSだけに対応して、リアルタイムレイトレーシングには対応しないという可能性もあります。

超解像度技術

実は、現行のSwitchでも超解像度技術は使うことができます。実際「Nintendo Switch Sport」では少なくともテストプレイ版でAMDオープンソース超解像度技術「FidelityFX SuperResolution」が活用されていた可能性があります。

超解像度技術とは、ピクセル復元のアルゴリズムを用いて、ポストエフェクト、あるいは機械学習を用いてGPUが処理した解像度を向上させる手法です。例えば、1080p(フルHD)で処理されたシーンを超解像度技術を用いることで4Kにすることができます。ただし、GPUがネイティブで出力する4Kと、超解像度技術を用いて生成する4Kでは、正確さが前者のほうが高くなります(あくまでも加重平均を用いてピクセルを予想するにすぎないので精度は高いですがネイティブと完全に一致するわけではありません)。

超解像度技術には2種類の使い方があります。まずは処理能力を用いずに高解像度にすること。言い換えれば、快適さをそのまま解像度を引き上げるという使用方法が1つ目です。2つ目は、性能向上のために使用するという方法。こちらを言い換えれば、解像度をそのままに快適さを向上させるということです。

Switch Sportsでは後者の使い方がされています。こうすることでGPU自体が出力する映像というのは低解像度で問題なくなり、その分のGPUリソースをゲーム処理に多く配分することができます。

おそらく、Switch Sportsは開発段階で処理と高解像の維持が両立できなくなったのではないでしょうか。そうでなかったとしても高解像を求めないこのようなゲームにおいてFSRを採用するのは正解だと思いますし、この超解像度技術の使い方は任天堂製ゲームと非常に相性がいいと思います。


現時点で、Nintendo Switchサードパーティのゲーム開発がFSRを使えるという情報はありませんが、もしSwitchがアップデートされてDLSSに対応すれば状況は変わります。

前述の通り、Switchは中身の部分をNVIDIAが開発しています。またプロセッサもNVIDIAが担っている関係上、ライブラリやAPI自体もNVIDIAが開発しています。もし、DLSS対応となればこのAPIにDLSSが追加されることになり、より多くのゲームで超解像度技術が使えるようになります。それに、Ampereにジャンプアップすると(メモリ次第ですが)その性能から4Kのような現行より高解像の出力が可能になるでしょう。となれば、DLSSとともに快適さをそのまま、解像度を高めるという超解像度技術の使い方ができるようになります。

単純にレイトレーシングが遊べなくとも、これは非常に嬉しいものです。

Atlan

最後に、Orinの後継が既に登場しているため紹介しておこうと思います。この製品はSwitchの登場時期によっては採用される可能性が0ではないプロセッサです。

AtlanはGraceの次世代CPUを搭載するとされているSoCです。GraceがNeoverseを採用しているので、その後継もNeoverseなのかなぁと思ってたらどうもCortexっぽい?

また、AtlanのGPUにはAmpereの後継(おそらくHopper)が採用される見込み。

性能がもっと上がることは間違いないのですが、そもそもGrace自体が登場してないのでAtlan自体いつ登場してくることになるのやら。現実的に考えてSwitchがもしアップデートされるならOrinが採用されると見たほうがいいと思いますね。