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「Cannon Lake-Y」のサンプル品のダイの写真が登場 〜 3ダイからなるMCM構成

錦です。

皆様は「Cannon Lake」を覚えているでしょうか。今回はその未発表の製品についてです。

结城安穗-YuuKi_AnS(@yuuki_ans)氏が「Cannon Lake-Y」の「Special Sample」の写真を投稿しました。

Cannon Lake

Cannon LakeはIntelのロードマップで最初に10nmへの移行が発表された製品でしたが、2016年以降のIntel 10nm以降の遅延によりその計画は大幅に崩れています。Cannon Lake自体は2016年に発売する製品(つまりSkylakeの後継「Kaby Lake」の時点で登場するはず)だったのですが、最終的にフルラインナップでの展開はなくなり、混沌とした第8世代に取り込まれて「Core i3-8121U」という製品1つをリリースしたのみにとどまりました。

Cannon Lake自体は、Skylakeアーキテクチャを採用するもの。第6世代のSkylakeを10nmにシュリンクして最適化したものだったと言えます。採用例は私が知る限りIntel NUCでしかないような気がしますが。

そんなCore i3-8121UはGPUを統合しておらず、Uシリーズでありながらかなり異質な存在であったのは間違いなく、第8世代の一部のサポートを打ち切ったWindows 11でも当たり前のようにサポート外となっています。そんなCannon Lakeの新しいパッケージの写真です。

Cannon Lake-Yのパッケージ

こちらは、Yuuki_Ans氏が共有したCannon Lake-Yを搭載したロジックボードとダイです。Special Samplesと書かれています。UシリーズではなくYシリーズのようで、TDPはおそらく8121Uの15Wより低い7Wであると考えられます。製品のラインナップの位置づけとしては、Kaby Lake-Yの後継、Amber Lake-Yの前世代といった立ち位置になるでしょう。

パッケージを見ていただければおわかりいただけますように3ダイからなるマルチチップレット構造となっています。CPUは2コアでどうやらGPUもあるよう。あともう一つのダイはPCHです。メモリにはLPDDR4が採用されていたようです。

Cannon Lake-Yですが、以前も登場の噂があります。「Core M3-8114Y」でTDP帯は4.5W。Core Mという製品自体聞くのは久しいですが、Cannon LakeではCore iのみならずCore Mレベルの製品が検討されていたのかというと多分そうではなく、Cannon Lake自体がかなり試験的な製品であったと見られます。そもそもCannon LakeとIce Lakeの10nmが別物である可能性もありますし、Cannon Lakeにも4.1GHzのかべが合ったのかもしれません。

どちらにせよCannon LakeはIntelからなかった者扱いされている(Intel ArkにCannon Lakeのページがない)のでこれ以上の拡充はたとえこの製品が登場したとしてももうなされなかったのではないでしょうか。

パッケージサイズは、28x16.5、1392ピンのBGAソケットで接続されているようです。ダイサイズはCPUダイが8.6x8.2mm(70.52mm2)、PCHが8.1x5.7mm(46.17mm2)、McIVRが4.9x2.8mm(13.72mm2)となっています。非常に小柄です。

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