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AMD、RDNA 3アーキテクチャを採用した「Radeon RX 7000」シリーズを正式に発表! 〜 マルチチップレット構造を採用・24GBモデルも

錦です。

AMDは、RDNA 3アーキテクチャを採用した「Radeon RX 7000」シリーズを正式に発表しました。

Radeon RX 7000

Radeon RX 7000シリーズは、RDNA 2を採用したRadeon RX 6000シリーズの後継でRDNA 3アーキテクチャを採用しています。また、ゲーミングGPUとしては初めてマルチチップレットGPUとなっているのも特徴的です。

チップレット

ではまず、その特徴的なチップレット構造から見ていきましょう。RX 7000は、今回マルチチップレット構造で2種類のダイを混載しています。

一つは中央の大きなダイはGCD(Graphics Compute Die)、もう一つはその周りの小さなMCD(Memory Cahce Die)です。GCDにはGPUの基幹となるCompute UnitやStream Processor、Ray Acceleratorなどが、MCDにはキャッシュがそれぞれ搭載されています。MCDはRDNA 2で初めて搭載されたInfinity Cacheが搭載されています。チップレットは64bitバス幅のインターコネクトで接続され、キャッシュヒットした場合には5.3TB/sというRDNS 2の2.7倍にもなる超高速な帯域を実現し、チップレット化されたとしても性能や速度に影響はありません。

製造プロセスはGCDがTSMC 5nm、MCDがTSMC 6nmとなっています。つまり、マルチチップレット構造の答えはキャッシュの革命だということになります。

GPU

本体となるGPUですが、580億基のトランジスタを搭載しており、理論性能は61TFLOPSまで向上します。これは、GeForce RTX 4090には及ばないものの、RTX 3090 Tiを超える性能であり、RTX 40シリーズとも十分に張り合える性能となっています。

そして、各種アクセラレータも強化されています。

まず、レイトレーシングを司る「Ray Accelerator」が第2世代に進化し、命令セットの追加などを用いることによって性能が1.5倍に向上。CUあたり1基搭載します。

また新たにAIアクセラレータが搭載されています。これはNVIDIATensorコアに当たるものと見られますが、これもまた新しいAI用の命令セットサポートするなどによって性能が2.7倍に向上、CUあたり2基します。

ディスプレイエンジンも強化されていて、DisplayPort 2.1に対応しており、54Gbps出力に対応している他、4K480Hzや8K165Hzという高解像度高リフレッシュレートの出力も可能となっています。

メディアエンジンでは、AMDのdGPUとしては初めてAV1エンコーダを搭載しており、8K60fpsまでのAV1動画エンコード・デコードすることが可能となっています。

また、今シリーズから、命令のデコードを含むフロントエンドとシェーダエンジンのクロックが完全に分離され、フロントエンドは最大2.5GHz、シェーダエンジンは最大2.3GHzで動作するようになっています。

製品

では実際の製品を見ていきましょう。

先に仕様をまとめます。

RX 7900 XT RX 7900 XTX
コア
トランジスタ 580億 580億
CU数 84 96
SP数 5376 6144
Ray Accelerator 84 96
ベースクロック 1,500MHz 1,900MHz
ブーストクロック 2,400MHz 2,500MHz
ゲームクロック 2,000MHz 2,300MHz
ROP 192 192
メモリ 20GB
GDDR6
24GB
GDDR6
メモリバス 320bit 384bit
メモリ速度 20Gbps 20Gbps
メモリ帯域 800GB/s 960GB/s
Infinity Cache 80MB 96MB
TBP 300W 355W

Radeon RX 7900 XTX

Radeon RX 7900 XTXは、RDNA 3を採用した最上位のモデルで、おそらく最上位GPUのすべてのコアが有効になっているものと見られます。

96基のCU、2.3GHzのゲームクロックという仕様になっており、メモリは384bitバス幅の24GB GDDR6となっています。メモリ帯域は960GB/sと非常に高速になっています。

ゲーム性能はRX 6950 XTと比較して4Kで

  • Call of Duty Modern Warfare 2で1.5倍
  • Watch Dogs:Legionで1.5倍
  • Cyberpunk 2077で1.7倍
  • Resident Ecil:Village(Raytracing)で1.5倍
  • Metro Exodus(Raytacing)で1.5倍
  • Doom Eternal(Raytracing)で1.6倍

と全体として最大1.7倍程度高速となっています。

また4Kでも高フレームレートを実現できるとしており、Hitman 3ではFSRを組み合わせることで275fpsmValorantではGPUの性能だけで704fpsまでフレームレートが向上するとしています。

RX 7900 XT

RX 7900 XTについてはRX 7900 XTXほど多くのことが語られたわけではありませんが、それでもRX 3090 Ti並の性能を持っていると見られており、それが899ドルで手に入るのだから、コスパの良さが伺えます。

RX 7900 XTもRX 7900 XTXと同じGPUを採用するため、MCDを6基搭載しますが、その内1基は無効になっています。

発売と価格

USでの発売は12月13日で、価格はRadeon RX 7900 XTXが999ドル(日本円換算14.8万円)、RX 7900 XTが899ドル(日本円 13.3万円)となっています。

なお、日本での発売日及び、価格は明らかになっていません。

もちろんAMDのリファレンスカードだけでなく、ASRock、ASUS、Biostar、GigabyteMSI、PowerColor、Sapphire、Vastarmor、XFX、Yestonなどからカスタムカードが登場することも明らかにされています。

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