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MediaTek、「Dimensity 9200」を発表 〜 3.05GHz駆動の「Cortex-X3」を採用し、LPDDR5Xやレイトレーシングにも対応

出典:MediaTek

錦です。

MediaTekは同社のフラグシップSoC「Dimensity 9200」を正式に発表しました。

Dimensity 9200

Dimensity 9200の全貌(出典:MediaTek

Dimensity 9200は「Dimensity 9000/9000+」の後継となる製品です。「Apple A16 Bionic」やまもなく発表と見られる次世代「Snapdragon 8」と競合するものです。TSMC N4Pで製造されており、総じてのトランジスタ数は170億となっています。これはApple A16よりも多いです。

CPUには最大3.05GHzで駆動する「Cortex-X3」を1基、最大2.85GHzで駆動する「Cortex-A715」を3基、ストレージへのダイレクトアクセスが可能になった「Cortex-A510」が4基、計8基のコアが搭載されています。X3とA715は現時点で採用しているメーカーがなかったはずなので業界初登場となります。キャッシュは L3キャッシュが8MB、システムレベルキャッシュが6MBになっています。

GPUには「Immortal-G715」をこれまた初めて採用。GPU自体は11基で構成されており、その他に2基のALUスループット、3基のトライアングルスループット、2基のFP16スループット、2基の機械学習コアが搭載されています。それにくわえ、Immortal-G715で新たに採用されるVulkanによるレイトレーシング用の専用アクセラレータを搭載しているのも特徴で、モバイル向けSoC全体で見れば、RDNA 2を採用したExynosに続いて2例目です。

GPUの機能としては、MediaTek HyperEngine 6.0もサポートしており、ゲームを快適にプレイするためにフレームレートを安定させる「Frame Rate Smoother 2.0」、ストレージとゲームの組み合わせを他のアプリ・サービスより優先する「Modem Express 2.0」、MediaTek APU 690と合わせて機械学習を用いたゲームパフォーマンスの向上にも対応します。MediaTek HyperEngine 6.0には他にもBluetoothイヤフォンの遅延を最短53msに抑えるRapid Response Engineも搭載しています。

メモリは新たにLPDDR5X-8533をサポートしており、これはすべてのCPUを含めても初めての対応になるかもしれません。MediaTekは13%の帯域向上になるとしています。ストレージはこれも世界初採用のUFS 4.0とMCQを採用し、歴代最速のスマートフォンストレージだとしています。

ディスプレイ向けでは、MediaTek MiraBision 890をサポートしており、Aiによるぼかし軽減などの機能、AIを用いてアップスケーリングやアップフレームレートを行う機能が搭載されています。

ISPには「Imagiq 890」を採用。カメラでは世界で初めてRGBWセンサーをサポート。これにより電力効率が34%向上し、HDRや低照度での撮影においてより明るくシャープに画像が生成されるとしています。

接続では、Sub-6とmmWave(ミリ波)の5Gをサポートする他、Buletooth 5.3、Wi-FI 6をサポートします。さらにWi-Fi 7の準備もできているとのことです。

性能と効率

性能では、Dimencity 9000と比較して、CPUにおいて10%性能が向上(Geekbench 5.0)し、消費電力は25%減少、GPU性能は32%向上で、消費電力は41%減少(Manhattan 3.0)、APU性能は35%向上(ETHZ 5.0)で消費電力は45%減少すると謳っています。

全体的に大幅な性能向上と効率の向上が見られており、特にGPUは期待すべきものがあります。

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