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TSMCの創業者、米・アリゾナ州に3nmの半導体工場を設置を検討 〜 さらなる国際展開には消極的な模様

German Wikipediabiatch, original upload 7. Okt 2004 by Stahlkocher de:Bild:Wafer 2 Zoll bis 8 Zoll.jpg, CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=928106による

錦です。

日本経済新聞と工商時報によりますと、TSMCの創業者で、APECに台湾代表として参加したTSMCの創業者である張忠謀氏が帰国後、台北市内で開いた記者会見にて、3nmを生産する新工場を米国のアリゾナ州で検討していると述べたことがわかりました。

張忠謀氏は、TSMCの創業者で今もTSMCに大きな影響力を持っていますが、現時点ではTSMCの内部の役員ではなく、今回の話もTSMCからのリリースではないことをはじめにことわっておきます。

TSMCの米国進出

TSMCは5nmの工場を米国に建設中ですが、その第2弾となるのが3nmになるよう。

5nmはすでにAppleAMDNVIDIAQualcommIntelといったTSMCの主要な顧客が製品に採用しており量産体制が整っていますが、TSMC 3nmについてはまだ量産体制が整っていないものと見られます。市場では、TSMC 3nmを採用しておそらく一番はじめに登場する製品が「Apple M2 Pro/M2 Max」(ともに仮称)であるという見方が強く、早ければ来年第1四半期に登場する見込みです。

TSMCの5nmの工場は120億ドル、日本円にして1兆7,000億円を投じて建設される、TSMCとしては初めての海外拠点となるものです。2024年からの生産開始を計画しており、準備が進められています。そう考えると、3nmはそれより更に先の稼働となるでしょう。

米国での工場は、主に米国内向けの需要に応えるもので、その規模も限定的な模様。やはり、生産能力は台湾の工場の方が上回るそうで、12インチウェハの世界シェアも台湾が2025年でも44%、先端プロセスでのシェアがは58%を維持するという予測もあることから、引き続き台湾優位の状態は続く見込みです。

海外展開には消極的

これも、張忠謀氏の発言ですが、TSMCのこれ以上の海外展開について、TSMCがこれ以上多くの国で生産するのは無理があるという旨の発言が報じられており消極的です。

TSMCはこれまで台湾のみに工場を持っていましたが、米国への進出を始め、日本でもソニーデンソーと協力して熊本県に14nm/16nmといった日本国内需要を満たすための工場を2024年に稼働することを計画、また茨城県つくばには、研究施設も設置しています。張氏の発言から見ると、日米台以上に生産施設を展開するつもりはないのでしょう。

ちなみに、台湾代表として参加したAPECでは、米国のハリス副大統領の他、日本の岸田総理、それに中国の習近平国家主席とも会話を交わしました。

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