Nishiki-Hub

国内外のPC/PCパーツ/スマホ/Appleなどの最新情報を取り上げています

今年する製品としてすでに予告されているものをまとめていこう 〜 128コアEPYCにSapphire Rapids、NVIDIA CPU、そしてMac Pro

年始早々登場することが予告されているSapphire Rapids

錦です。

さあ、2023年がついに始まりました。今年はどんな年になるのでしょうか。今回はすでに公式に発表されている2023年に登場する予定のものをまとめていきます。

Intel

Sapphire Rapids/Maxシリーズ

まず最初に登場するのがSapphire Rapids及びSapphire Rapids Max、Data Center GPU Maxです。1月10日に正式に発表されます。

Sapphire Rapidsは、Alder LakeのPコア「Golden Cove」を採用したデータセンター、HPC、サーバー向けのプロセッサで、Ice Lake-SP及びCooper Lake-SPの後継となる第4世代スケーラブルプロセッサです。

IntelのCPU製品では初めてタイル構造を採用し、物理的に最大60コアを搭載できます。製造プロセスはIntel 7となり、これまたXeon SP製品では初採用です。

Emerald Rapids

そして、Sapphire Rapidsの後継となるEmerald Rapidsもはるか昔のロードマップでは2023年登場予定となっていました。ただ、Sapphire Rapidsがおおよそ1年半ほど遅延しているので、おそらく登場しても今年の末か来年以降になるでしょう。

Emerald RapidsはSapphire Rapidsのマイナーアップデートとなる第5世代スケーラブルプロセッサで、Raptor LakeのPコア「Raptor Cove」を採用する製品となる見込みです。

Meteor Lake

Meteor Lakeも今年登場すると明らかにされているCPUラインナップです。上記二つがサーバーやデータセンター向けだったのに対して、こちらはコンシューマ向けのプロセッサです。

Meteor Lakeはコンシューマ向けCPUで初めてタイル構造を採用した製品になる予定です。タイル構造になったことによってCPU・GPU・I/O・SOCが独立しプロセスルールもタイルごとに異なっています。CPUタイルはIntelの最新プロセス「Intel 4(旧Intel 7nm)」で製造され、GPUタイルはTSMC 5nmプロセスで、I/OとSOCはTSMC 6nmプロセスで製造されます。そして、これらの接続にはベースタイルというインターポーザ的なものが採用されこちらはIntel 22nmで製造されます。

CPUも大幅アップデートとなる見込みで、Alder Lake世代の後継となることが予想できます。更にGPUが、Xe-LPベースからIntel ArcのXe-HPGベースに変わるため大型化し性能が向上します。

しかしながら、Meteor Lakeのデスクトップ版がキャンセルされたという不穏な情報も漂っており、この話題には注視が必要です。

Intel Arc B

そして、Intel Arcの次世代GPU「Battlemage」も今年から来年にかけてのリリースとされています。

IntelAMDNVIDIAと違い、Intel Arc Aシリーズにおいて、一気に製品を投入したためIntel Arc Aの拡充はないと思いますが、今年の後半にIntel Arc Bの投入はあるかもしれません。このロードマップの発表時からIntel Arc自体の計画は遅延してませんし大丈夫でしょう。

AMD

Zen 4 3D V-Cache

これは、曖昧ではあるもののおそらく今年のことを指しているでしょう。

Zen 4アーキテクチャに3D V-Cacheを搭載した製品も今年登場するものと見られます。おそらく、Ryzen 7 5800X3Dの後継となる製品に採用されるでしょう。これについては製品の情報が一切明かされておらず、あくまでAMDが提示したロードマップにあったものです。

ちなみに、前世代同様EPYCにも3D V-Cacheが採用される見込みですが、Genoaのチップレットの数が12基に増えたことで、3D V-Cache時のL3キャッシュの容量の見込みが1.152GBとなっています。

Bergamo

Bergamoは、Zen 4をベースに高密度化したアーキテクチャZen 4cを採用したEPYCをシリーズです。AMDから2021年秋の時点で存在が明らかにされています。

BergamoはキャッシュやクロックなどがGenoaと比べて劣っている代わりに、高密度かつ高効率であるため、Genoaと同じプラットフォームで最大128コア256スレッドを実現できるというラインナップです。Genoaが性能が求められるデータセンター・HPC向けで、Bergamoはスケーラビリティを求められるクラウド向けの製品になります。

Intelも同様にSierra Forestという高密度製品を2024年に用意しており、こちらはEコアのアーキテクチャがベースとなっているので、Zen 4cはGracemontの競合アーキテクチャであることが伺えます。

NVIDIA

Grace

Graceは、ArmのNeoverse V2を144基で構成されたNVIDIA初のデータセンター向けのCPUです。NVIDIAのHPC向けGPGPU「Hopper」と900GB/sもの第4世代NVLinkを使用して接続します。

Grace自体は効率を重視したプロセッサとなっており、メインメモリも1TB/sもの帯域を持つLPDDR5Xとなっています。

Graceを搭載した「Grace Superchip」は2023年第1四半期に発売される予定となっています。

Apple

Mac Pro

これについては明確に2023年と予告されているわけではありませんが、登場が予告されている製品が「Mac Pro」です。その予告は2021年3月の時点で行われており、その登場が待たれています。

AppleWWDC 20でApple Siliconを発表した後、Intel CPUからApple Siliconへの移行期間を2年としていましたが、発表(WWDC 20)から2年としても、発売(2020年11月)から2年としてもすでに期間を過ぎている状態で、Mac Pro及びMac miniの上位モデルにIntel CPUモデルが残っています。

個人的にはMac miniIntel CPUモデルは、どうしてもIntel Macが必要な人向けのモデルと予想しており、かつMac miniの下位モデルはすでにM1に移行されているため大きな問題ではないのですが、Mac ProMacラインナップの中で最上位の製品であり、唯一のタワーMacであることからそのアップデートが期待されています。

ちなみに、現在Mac Proの代わりをMac Studioが担っており、現行Mac Proを含めた中でも最も性能の高いMacとなっています。Mac StudioがMac Proの登場までの時間稼ぎとして登場したのであれば、Mac Proが登場することでMac StudioはiMac Proと同じ運命をたどる可能性があるのですが、筐体から構造までこれまでのMacに無いものなのでそれは無いと思いますが。

今年はどうなる?

正直なところ、今年は去年に比べると落ち着いた年になる気もします。おそらくは昨年でた製品の拡充が中心かつ、そのマイナーアップデートとなるでしょう。

しかしながら、その拡充が重要であり、GeForce RTX 40やRadeon RX 7000シリーズ、Raptor Lake、Ryzen 7000シリーズのミドル以下の製品には注目が集まっています。

ということで今年もよろしくおねがいします。