Nishiki-Hub

国内外のPC/PCパーツ/スマホ/Appleなどの最新情報を取り上げています

Intel、第13世代「Raptor Lake」を大幅に拡大 〜 「Core i5-13400」など65W SKUと35W SKUがついに登場

出典:Intel

錦です。

InteはCES 2023にて、第13世代Intel Coreプロセッサ「Raptor Lake-S」の追加モデルを発表しました。

Raptor Lake

Raptor Lakeは、年が明けて昨年10月に登場した新ラインナップで、Alder Lakeの「Golden Cove」からアップデートされた「Raptor Cove」を採用したで性能が向上しています。更に、ダイの耐久性が向上しており、世界で初めて9.008GHzという記録を打ち立てたとしても話題となりました。そのため、Eコアに採用される「Gracemont」を含めて全体的にクロックが向上しており、IntelからOCなしで6GHzに達する製品が投入されることも明らかにされています(今回はまだ登場していません)。

すでに登場したKモデルでは、PコアのL2キャッシュがコアあたり2MBに倍増しており、それも性能向上に寄与しています。

Alder Lakeに引き続きIntel 7で製造されており、Alder Lakeと同じマザーで動作します(BIOSの更新が必要な可能性があります)。

モデル

まずは、登場したモデルを並べます。

Pコア Eコア コア/スレッド Pコア
ベース
Pコア
最大クロック
Pコア
TBMT 3.0
Pコア
TVBT
Eコア
ベース
Eコア
ブースト
L3キャッシュ L2キャッシュ iGPU iGPU
最大クロック
PBP MTP 価格
i9-13900K 8 16 24C/32T 3.0GHz 5.8GHz 5.7GHz 5.8GHz 2.2GHz 4.3GHz 36MB 32MB UHD 770 1.65GHz 125W 253W $589
i9-13900KF 8 16 24C/32T 3.0GHz 5.8GHz 5.7GHz 5.8GHz 2.2GHz 4.3GHz 36MB 32MB 125W 253W $564
i9-13900 8 16 24C/32T 2.0GHz 5.6GHz 1.5GHz 4.2GHz 36MB 32MB UHD 770 65W 219W $549
i9-13900F 8 16 24C/32T 2.0GHz 5.6GHz 1.5GHz 4.2GHz 36MB 32MB 65W 219W $524
i9-13900T 8 16 24C/32T 1.1GHz 5.3GHz 0.8GHz 3.9GHz 36MB 32MB UHD 770 35W 106W $549
i7-13700K 8 8 16C/24T 3.4GHz 5.4GHz 5.4GHz 2.5GHz 4.2GHz 30MB 24MB UHD 770 1.6GHz 125W 253W $409
i7-13700KF 8 8 16C/24T 3.4GHz 5.4GHz 5.4GHz 2.5GHz 4.2GHz 30MB 24MB 125W 253W $384
i7-13700 8 8 16C/24T 2.1GHz 5.2GHz 1.5GHz 4.1GHz 30MB 24MB UHD 770 65W 219W $384
i7-13700F 8 8 16C/24T 2.1GHz 5.2GHz 1.5GHz 4.1GHz 30MB 24MB 65W 219W $359
i7-13700T 8 8 16C/24T 1.4GHz 4.9GHz 1.0GHz 3.6GHz 30MB 24MB UHD 770 35W 106W $384
i5-13600K 6 8 14C/20T 3.5GHz 5.1GHz 2.6GHz 3.9GHz 24MB 20MB UHD 770 1.5GHz 125W 181W $319
i5-13600KF 6 8 14C/20T 3.5GHz 5.1GHz 2.6GHz 3.9GHz 24MB 20MB 125W 181W $294
i5-13600 6 8 14C/20T 2.7GHz 5.0GHz 2.0GHz 3.7GHz 24MB 11.5MB UHD 770 65W 154W $255
i5-13600T 6 8 14C/20T 1.8GHz 4.8GHz 1.3GHz 3.4GHz 24MB 11.5MB UHD 770 35W 92W $255
i5-13500 6 8 14C/20T 2.5GHz 4.8GHz 1.8GHz 3.5GHz 24MB 11.5MB UHD 770 65W 154W $232
i5-13500T 6 8 14C/20T 1.6GHz 4.6GHz 1.2GHz 3.2GHz 24MB 11.5MB UHD 770 35W 92W $232
i5-13400 6 4 10C/16T 2.5GHz 4.6GHz 1.8GHz 3.3GHz 20MB 9.5MB UHD 730 65W 148W $221
i5-13400F 6 4 10C/16T 2.5GHz 4.6GHz 1.8GHz 3.3GHz 20MB 9.5MB 65W 148W $196
i5-13400T 6 4 10C/16T 1.3GHz 4.4GHz 1.0GHz 3.0GHz 20MB 9.5MB UHD 730 35W 82W $221
i3-13100 4 0 4C/8T 3.4GHz 4.5GHz 12MB 5MB UHD 730 60W 89W $134
i3-13100F 4 0 4C/8T 3.4GHz 4.5GHz 12MB 5MB 58W 89W $109
i3-13100T 4 0 4C/8T 2.5GHz 4.2GHz 12MB 5MB UHD 730 35W 69W $134

ちょっと横長で見にくいのはご了承を。

今回面白いのは、Core i5の全てのモデルにEコアが搭載されたこと、そして、Eコアが倍になっていることです。

例えば、Core i5-13400についてですが、前世代の同じグレード「Core i5-12400」では搭載されていなかったEコアが搭載されています。また、Core i7-12700で4コアだったEコアは、Core i7-13700で8コアに倍増しています。Core i9-13900も同様です。

これによって、Core i9-13900ではCore i9-12900と比較して、シングルスレッド性能が11%、マルチスレッド性能が34%向上しました。実用上では、ゲーム性能で最大19%、コンテンツ制作性能は10%向上と堅実な成長を遂げています。

個人的には32スレッドが35Wで実現できてるCore i9-13900Tも恐ろしいと感じています。

なお、全体的に値上げとなっており、平均して10〜14%程度値上げされています。

キャッシュとステッピング

先程Raptor Lakeの説明で、すでに登場したK付きモデルではL2キャッシュが倍増されたとお話しましたが、今回発表されたモデルのうち、Core i5-13600以下の製品については、L2キャッシュ倍増がなく、おそらくAlder Lakeのダイを流用していると見られます。

一例にCore i5-13400を挙げると、同じ6P4Eの構成のAlder Lake「Core i5-12600K」と同じキャッシュ構成をしている事がわかります。

Intelは使用コアについて何も明らかにしていませんが、Core i5-13600以下にはAlder LakeのC0ステッピングが、Core i3についてはH0ステッピングが利用されている可能性があります。

ただ、じゃあこれはアップデート詐欺かと言われればそうではなく、前世代の高性能なダイがミドルレンジにも降りてきた(しかもクロックの向上付きで)と考えれば、納得いきますね。

関連リンク