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AMDもハイブリットプロセッサの準備をしている ~ 「Phoenix」がハイブリットをサポートしている模様

錦です。

InstLatX64氏によると、AMDの公式文書からハイブリットプロセッサに関する情報が見つかったことがわかりました。

ハイブリットプロセッサ

Armのbig.LITTLEから始まり、そしてIntelが第12世代プロセッサから「Intel Hybrid Technology」として採用しているハイブリットプロセッサ。これは、性能が高いけど電力消費も大きい高性能なコアと、性能はそこまで高くないけど消費電力が小さい高効率なコアを混載することで、マルチタスクの効率化や、電力消費を抑えるために用いられたりします。

例えば、これまでバックグラウンド処理も全て高性能コアのリソースで行わなければならなかったのに対して、ハイブリットプロセッサでは高性能コアのリソースはメインのタスクに全振りし、OSなどのバックグラウンドは高効率コアが行うことで効率化できるというメリットがあります。

AMDのハイブリット

今回、見つかったのはRyzen 7040シリーズである「Phoenix」のプログラミングリファレンスです。低レベルの部分まで触る人用のリファレンスですかね。

この文書に書いてある詳細なことはわかりませんが、ただPhoenixがどうやら「Performance Core」と「Efficiency Core」の2種類のコアをサポートしているようです。VideoCardzはこの名前とマーケティング(=実際にAMDが発表するときの名称)が異なることもあるため、必ずしもこの名前で登場するとは限らないと指摘しています。

日本語に直すとやはり「性能コア」「効率コア」となり、ArmやIntelのハイブリットプロセッサと同じ構造になることがわかります。

アーキテクチャ

では、どのようなアーキテクチャを採用するのでしょうか。ArmはCortex-X系とCortex-A7系を高性能コア向けに、Cortex-A5系を高効率向けに展開、IntelはCore系統のCove系をPコアに、Atom系統のmont系をEコアに採用しています。これらの企業はもとから高性能・高効率ともにラインナップが存在していたためそれを合体することでハイブリットプロセッサを実現していました。ではAMDはどうでしょうか。

AMDのメインのアーキテクチャはZen 4です。もちろんこのアーキテクチャは性能コアに割り当てられるでしょう。そして、効率コアにはZen 4から派生したZen 4cという高密度なアーキテクチャが採用されると見られます。Zen 4cはクラウド向けの性能よりも物理コア数が求められるシステム向けのEPYC「Bergamo」で採用されています。Zen 4を採用する最大96コアの「Genoa」と同じチップレットの数ながら、キャッシュなどを削減して128コアを実現しています。

おそらくAMDのハイブリットプロセッサでは、Zen 4+Zen 4cという構成になると見られます。

そしてPhoenixはAPUであるため、実際の構成はZen 4+Zen 4c+RDNA 3という構成になるでしょう。この製品が一般のラップトップに向けて登場するかは怪しいところですが、AMDがどのようにハイブリットプロセッサを登場させるのか、今後の動向に注目です。

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