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Intel、今後のDC向けロードマップを明らかに ~ 第5世代Xeon SPを今年に投入、144コアの高効率Xeonも・GPUは2年サイクルへ

錦です。

Intelは今後のロードマップを更新しました。

第5世代Xeon SP

まず、スケーラブルプロセッサですが、現行の第4世代Sapphire Rapidsは2023年1月に投入され、順調なスタートを切っているとのこと。現時点で供給が安定しているとのことで

ただし、当初の予定より1年以上遅延していることもあってか、以前のロードマップに戻すために次期スケーラブルプロセッサが今年第4四半期に登場するようです。

そして、今回「Sapphire Rapids」の後継である「Emerald Rapids」が「第5世代スケーラブルプロセッサ」として登場する事が公式にアナウンスされました。Emerald RapidsはSapphire Rapidsとプラットフォームを共有し、ソケットなどを含めて同じものを利用できるそう。

Emerald Rapidsの詳細な仕様は明らかではないものの、Sapphire Rapidsと同じくIntel 7で製造されることが明らかになっています。このことから、大規模なアップデートと言うよりかはマイナーなアップデートとなる見込みですが、どうやらチップ側の改良により密度が向上するため、現在1チップ当たり15コアを4チップで計60コアであるのがそれ以上になる可能性もあります。

現時点でEmerald Rapidsに採用されるアーキテクチャについての公式な情報はありませんが、第13世代「Raptor Lake」のPコアに採用される「Raptor Cove」を採用するものと見られています。

Granite Rapids

そして、Emerald Rapidsの光景となるのが「Granite Rapids」です。これは後述する「Sierra Forest」の直後(2024年)に登場するものとなります。おそらく第6世代スケーラブルプロセッサとして登場すると見られます。

Granite Rapidsは、Pコアで構成されるXeonとしては初めてIntel 3プロセスルールを採用します。Intel 4が第14世代Core「Meteor Lake」で採用されますが、Intel 3はその改良版となります。プロセスルールの更新が含まれているということは大きなアップデートとなる可能性が高いです。少なくとも密度が向上することが明らかになっているので、Emerald Rapidsよりもコア数が増加することが期待されます。

スライドでは「Excellent Silicon Health」とされているので、Raptor Coveよりも耐久度が高いアーキテクチャになるのかもしれません(私の誤訳かもしれない)。

I/O部分においてもかなり強化されています。特にメモリは1.5TB/sの帯域を実現するようです。Xeon Maxが今後も展開されるかは不明ですが、Xeon Max並のメモリ帯域をDDRで実現する可能性があるというのは興味深いですね。

Sierra Forest

Sierra Forestはスケーラブルプロセッサとは別のラインナップで登場するであろう製品です。

Sapphire Rapidsから、スケーラブルプロセッサのコードネームには「Rapids」とつくようになりましたが、こちらは「Forest」となります。違いは採用されるアーキテクチャです。

Rapids系統はCove系のCPUコア、すなわち「Core」系統のCPUコアを採用するのに対して、Forest系はmont系のCPUコア、すなわち「Atom」系統のCPUコアを採用します。Atom系統のCPUコアを採用することによって電力効率が大きく向上する他、CPU密度を向上しコア数を稼ぐことが可能になります。

現在、世界的なエネルギー機器が起こっており、特に莫大な電力を消費するデータセンターでは高効率プロセッサに注目が集まっているそう。その代表例がArmであり、それに対抗すべくIntelが「Sierra Forest」という高密度プロセッサを投入するというわけです。

同様の動きはAMDにもあり、AMDはすでに「Bergamo」というコードネームの「EPYC」を発表しています。BergamoにはZen 4から派生した高密度アーキテクチャ「Zen 4c」が採用されており、最大128コア256スレッドを実現しています。

Sierra ForestはGranite Rapidsと同様にIntel 3で製造され、最大のコア数は144コアです。これはNVIDIAがまもなく投入するCPU「Grace」と同じコア数となり、絶対的な性能ではIntelが上回る可能性があります。

具体的にSierra Forestにどのアーキテクチャが採用されるかはまだ明らかではないものの、Meteor LakeのEコアを採用するのが一番理にかなっているでしょうか。

登場時期は2024年の上半期です。

Clearwater Forest

そして、Sierra Forestの後継にはClearwater Forestが控えており、こちらはIntel 18Aプロセスで製造されます。

2025年登場とだけ話され、詳しい話はありませんでした。

GPUは2年サイクル

GPUについては大きく予定が変更され、Intel Data Center GPU Maxの後継である「Rialto Bridge」がキャンセルされ、2025年登場の「Falcon Shres」に変更されています。「Falcon Shres」はIntelが計画しているXPUのGPU部分として登場し、後にCPUが統合されXPUになる模様。うーん。ちょっとわかりにくい計画ですが、とりあえず2025年まではIntelのデータセンター向けGPUはないということみたい。

そしてIntelはデータセンター向けGPUのサイクルを2年サイクルに変更したとしており、今後は2027年頃、2029年頃・・・・という風に更新が続いていくのではないでしょうか。

ただ、このGPUの話は私は把握していなかったものの今月の上旬には明らかになったものであり、この記事を書くに当たって参考にしたPC Watchの記事でまとめられていたので改めてまとめてみました。Intelが目指すXPUについては今後改めて解説したいと思います。

現時点の情報をもとにXPUの流れを説明すると、Xeon SP(CPUのみ)の製品は今後も更新されていき、そのCPUが統合されたGPU(これがXPU)が新たに登場するという流れになるんじゃないかと。

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