錦です。
1-3月期の決算報告の時期ですが、大手テクノロジー企業では、相次いで 昨年同期比減を計上しています。
スマホ市場縮小 大きく
減収の大きな原因の一つが「スマホ市場の縮小」です。年々、スマートフォンに最新テクノロジーが搭載されていくことはいいことですが、iPhoneやGalaxy noteなどを中心に、10万円を超えるのが当たり前のように高騰化が続いています。それに伴い、中古のスマホ市場は拡大しているものの、新品スマホ市場は縮小を続けており、2019年は頭から iPhone の売り上げ不振から Appleの減収が見込まれ株価が大きく下落し「アップルショック」がおき市場が混乱しました。
今期もその影響は出ているものの、スマホ市場の縮小の予兆は昨年より出ており、それに伴い各企業、別の収入源を開拓し始めているため、先行きは楽観視と取れます。
今期
Appleは、iPhoneの売り上げが17%減と、スマホ市場の縮小の影響は見受けられますが、9-12月期に比べて、中国市場でのiPhone売り上げが上がってきたことから、市場予想を上回る形にはなっており、決算報告後Appleの株価は向上しました。Appleは先行きが楽観視できます。理由は「サービス」。iCloudやAppleCareなども含まれる「サービス」の売り上げですが、Apple MusicやiTunes Storeでの売り上げもこれに入ります。今期「サービス」は16%増しと非常に良い結果を残しています。そのうえ、4-6月期には、複数の地域で「Apple TV Channel」が開始、今秋には、日本を含めて「Apple TV+」や「AppleArcade」が開始するなど、新サービスに関しても先行きが楽観であることを示しています。そして、AppleMusicも、日々登録者数が増加しており、先述の 中国市場でのiPhone値下げの影響は大きく、これもAppleの業績を良い方向へ運んでくれると考えられます。
一方、Samsungは不安を残す形になりました。同社は、昨年同期比60%減の利益を計上。Samsungの3つの柱すべてにおいて不安を残しています。
1つ目の柱「Galaxy」ですが、iPhone同様 スマホ市場の縮小 が大きく影響している結果となっています。特に、Galaxy Foldの画面不具合は、若干の不安要素にもなりえます。
2つ目の柱「半導体」ですが、マイニングブーム終了後あたりから GPUだけでなく、ストレージ・RAM関連の半導体の値下がりが続いています。大阪・日本橋や東京・秋葉原では、16GB RAMが1万を下回ることは最近、日常茶飯事です。また、スマホ市場の縮小で、スマホ向けの半導体の出荷量も減っており、不安です。
3つ目の柱「ディスプレイ」ですが、スマホの出荷量の減少=ディスプレイの出荷量の減少であり、これに対しても不安があります。
ただ、Samsungの場合、Appleほど「ブランド意識」が高いわけではないので、今後 Galaxy Aシリーズなどの 廉価スマホ の普及が期待されています。また、半導体に関しても、PCブームには一定の波がある関係で、来期とは限らずとも、近々 光はあることでしょう。ディスプレイに関しても、Samsungは 世界屈指の技術力があり、スマホだけではない、パソコンモニターなどでの売り上げに期待したいところです。
今年は厳しめのハード
今年もまだ ハードウェア に関しては厳しい状況が続くかもしれません。ただ、ハードウェアに関する不安要素2つのうち、スマホ市場の縮小とあともう一つの Intel プロセッサの供給不足 に関しては、改善されてる真っ最中であり、PC側はIntelそしてRyzenの行く末次第で改善の余地があります。
Appleの「サービス」事業に関しても、iPhoneほどの爆発的な伸びや収益は期待されないものの、iPhoneの減収をサポートするという面では、非常に良い選択だと思われます。