錦です。
明後日28日から、台湾・台北で開催される「COMPUTEX TAIPEI 2019」ですが、その前日となる明日、現地時間午前10時(日本時間11時)からAMDのCEO リサ・スー氏による基調講演が行われます。
新製品の発表あり
この基調講演では、AMDのCPU・GPUをはじめとした製品の発表があるとみられています。
第三世代Ryzen
2017年に登場以来、Intel Coreを追いかけ、Intelを窮地に追い込むRyzenですが、ZEN2アーキテクチャを採用した「Ryzen」の登場が期待されています。
そもそも、第三世代Ryzen自体はすでに 年始に行われた CES 2019で発表されているため、その製品の発表となります。
16コアか GPUか
CES 2019で第三世代Ryzenのサンプルとして示されたプロセッサ(以下の画像)には、明らかにスペースがありました。
この小さいダイの下のスペースがそれです。
このCPUダイには、8コア16スレッドを搭載することができ、もう一つCPUダイを設置すると、16コア32スレッドを実現することが可能です。
噂によると、Ryzen 7は8コア16スレッドで、新たに追加されるとみられる Ryzen 9で16コア32スレッドに対応してくるのではないかとされています。
で、このスペースにおけるものとしてあともう一つ可能性があるとすれば「GPU」です。デスクトップRyzenは、Intel Fプロセッサと同じようにiGPUというものを持ちません。なので、RyzenでPCを組む場合、dGPUが必須になります。
もし、ここにGPUダイが設置されれば、dGPU並みの性能を持ったRyzen搭載の高性能スリムPCが実現できるようになるかもしれません。
Ryzen 第3世代では、PCI 4.0をサポートするほか、Radeon VII同様 7nmプロセスルールを採用するとみられます。PC向けの主要プロセッサとしては、QualcommのSnapdragon 8cxに次いで2つ目、x86プロセッサとしれは初めて7nmプロセスルールを採用します。
7nm EPYC
サーバー向けのEPYCプロセッサも7nmプロセスルールを採用するとみられます。
スーCEOは、CES 2019内で「7nmプロセスの第2世代EPYCは、IntelのXeon Platinum 8180 プロセッサのデュアルソケット構成を、シングルソケット構成で上回ってみせる」と述べており、期待できます。
また、この第2世代 EPYCは、AMDのサーバー向けCPUとして歴史上初めて製造技術でIntel Xeonを追い越します。
Navi GPU
Vegaの後継アーキテクチャとして話題のNavi GPUですが、これについても製品の発表があると踏んでいます。
最近の噂では、初期のNavi GPUは、RTX 2070相当のものと、RTX 2060相当のものの2種類で、RTX 2080なみのハイエンドのGPUは引き続き Radeon VIIが担うようだとしています。
Vegaプロセッサ自体まだ、Vega 56/64に加えて、iMacに採用されたVega 48や、Macbook Proに採用される Vega 12/20な、iMac Proのカスタムに追加されたVega 64Xなど割と製品が出ています。
Navi次第では、Mac ProのGPU構成に差がありそうなので若干期待です。
7nm
今回発表される内容すべてにおいて共通しているのは「7nm」プロセスルールであるということ。
Intelは、ようやく14nmから10nmに移行しようとしている中で、AMDは先に7nmを採用した形になります。実際には、AppleやHuawei、Qualcommといった、スマホ向けのARMベースプロセッサが7nmプロセスルールを2018年の半ばごろから採用しています。とくにAppleのA12Xプロセッサは、スコアがほぼすべてのラップトップPCを超えるなどで注目を浴びました。