錦です。
香港で加熱する「逃亡犯条例改正案反対デモ」ですが、現在も当局とデモ参加者の間で攻防が続いています。デモ参加者が重要としている情報網ですが、中国当局はこれを監視している可能性があります。そんな中、ロシアの人気メッセージングアプリ「Telegram」は、今後数日以内に、中国当局の監視からデモ参加者の身元を保護するためのアップデートを行うとロイターが報じています。
Telegram
Telegramは、ロシア企業が開発するメッセージングアプリで、独自の通信プロトコルを採用し、機密性を高めているサービスです。これは、政府機関にも解読困難であることから、世界各地の反対デモなどに利用されています。
デモ参加者は、Telegramを利用して、おとり警察官の身元や、建物へのアクセスコードなどのありとあらゆる情報を共有しているようです。
ただ、かなり公開的であるようで、デモ参加者のフリをした警察官がそこに入ると容易にデモ参加者を逮捕したり、参加者を監視することが出来てしまいます。
Telegramは、このアップデートで電話番号を隠す変更を施します。
電話番号を隠すことで、プロバイダへ問い合わせることが出来なくなり、ユーザーを保護することが可能です。
当局は、電話番号とTelegramでのユーザー名が一致した場合のみ、プロバイダに身元を問い合わせることができます。今回はその電話番号を隠すことで、身元を問い合わせるのに必要な要素を消したということになります。
つまり、このアップデートでは主に「警察官を追い出す」ではなく「警察官から身元を隠す」というのが目的のようです。
Telegramは、6月に中国国内のIPアドレスからDDoS攻撃を受けたと公表しており、同社の創業者パーヴェル・ドゥーロフ氏は、自らのアカウントで「ほとんどのIPアドレスは中国からのものだ」や「これまでのDDoS攻撃はすべて香港でのデモのタイミングと一致していた」とツイートしていました。
Exclusive: Messaging app Telegram moves to protect identity of Hong Kong protesters - Reuters