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第12世代Core「Alder Lake」の詳細 ~ PCIe Gen5やDDR5をサポート・シングル性能が20%向上!

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錦です。

VideoCardzが独占の情報として、Alder Lakeプラットフォームのスライドをリークしています。

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出典:VideoCardz

この画像からわかる画像を書き出します。

  • 20%のシングル性能向上
  • 2倍のマルチスレッド性能
  • 新しい「Golden Cove」コア
  • 新しい「Gracemont」コア
  • PCIe 4.0とPCIe 5.0に対応
  • Wi-Fi 6EとThunderbolt 4に対応
  • DDR4とDDR5に対応
  • LPDDR4とLPDDR5に対応

シングルスレッドの向上について。ここでは何と比較しているかがわかりません。第11世代には「Tiger Lake」と「Rocket Lake」があり、両方の後継がAlder Lakeであるためどちらと比較しているかわかりませんし、明記されていません。これがAlder Lake-SのスライドならRocket Lake-Sとの比較でしょうけど、LPDDRのサポートを書いていることを考えるとデスクトップ向けとは考えにくい・・・。

2倍のマルチスレッド性能。こちらも何と比較しているかがわかりません。

「Golden Cove」と「Gracemont」という構成も既出の情報ですね。big.LITTLEのような構成をとるという情報です。性能コアにはCore系統の「Golden Cove」が、効率コアにはAtom系統の「Gracemont」がそれぞれ採用されるという構図です。現行のLakefieldに搭載されている「Tremont」の後継となるAtomコアになっていて、こちらの詳しい情報はあまりありませんが、それでもある程度の性能は持っています。

コア構成ですが、以前のエントリでお伝えしたようにモバイル向けに限ってはすでにコア数とその展開がわかっています。

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以前出ていた情報では「Gracemont」のコアはコア数ではなくスレッド数として数えられるという情報もありましたが、今は「Golden Cove」も「Gracemont」もコア数として数えられます。ただし、Atom系統のコアではHTTが有効ではないので、スレッド数が単にコア数の二倍になっているというわけではなく、16コア24スレッドのような、若干違和感のあるコア/スレッドの仕様になります。ちなみに16コア24スレッドの場合、8コアがGolden Cove、8コアがGracemontなので8(1C×2T)+8(1C×1T)=16C24Tという計算になります。

そして、デスクトップ向けでは第11世代でようやくGen 4に対応したPCIeですが、第12世代ではGen 5のサポートも含まれています。次の画像をご覧ください。

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出典:VideoCardz

一緒にVideoCardzに掲載されているこの画像を見ていただくとわかる通り、CPUは16レーンのPCIe 5.0・4レーンのPCIe 4.0を持っているようで、ほとんどの場合において使えるのはPCIeのx16レーンのみということになります。もちろん、Gen 3のレーンもチップセットが持っています。

あと一つ付け加える情報があるとすれば、CPUーチップセット間の通信であるDMIがGen 4 x8通信になっているところですかね。Comet LakeがGen 3 x4だったのに対してRocket LakeでGen 3 x8と帯域幅が2倍になりました。Alder Lakeでは世代が変わってGen 4になります。一応これでもある程度速度が向上するはずです。

接続性について、ネイティブでWi-Fi 6Eに対応するということとThunderbolt 4に対応すると述べられています。私の記憶が正しければTiger LakeがすでにThunderbolt 4をサポートしていたはずなので、Wi-Fi 6Eが目新しいものになります。Wi-Fi 6Eは802.11 axの中の規格で、6GHzでの通信をネイティブの規格にしたものです。Wi-Fi 6の策定から後に策定されました。私自身対応製品を見たことがないのですが(というかまだ日本では認証されていないのかも)、Wi-Fiでより高速な通信ができるようになります。

そしてメモリですが、DDR4-3200に加えてDDR5-4800のサポートも追加されています。2chのメモリチャンネルとなっていておそらく4スロット・最大128GBというのは変わらないとみられます。ちなみに、以前のリーク情報からAlder LakeのプラットフォームとなるIntel 600番台のチップセット搭載マザーはDDR4版とDDR5版が登場するという情報もあります。Alder Lake-Sの後継となる第13世代Coreプロセッサ*1では、ソケット形状は変わらないもののDDR4のサポートはなく、DDR4搭載600マザーはAlder Lakeでしか使えないということになるようです。個人的にはZ690などのハイエンドマザーはDDR5版しか出ないのかなぁとか思ってます。

LPDDRについてですが、これは書いてある通りです。LPDDRのサポートはAlder Lake-M/Pでの話になると思いますが、LPDDR5への対応はIntel CPUでは初めてになります。LPDDR5はすでにスマートフォンなどで製品になっているためSODIMMはまだですが、かなりの数がすでに流通しています。LPDDR5のメモリチップ自体は韓国の半導体メーカーが確か製造していたはずです。


Alder Lakeは、前述の通り「Rocket Lake」と「Tiger Lake」両方の後継です。つまり、第8世代から続いていたデスクトップ向けとモバイル向けでシリーズが異なるというわかりにくい構図が第12世代でまとまり、第7世代のように一つのマイクロアーキテクチャがデスクトップからモバイルまですべてのSKUを担います。

登場時期ですが「Alder Lake」自体は年内の登場。ただしデスクトップ向けかモバイル向けかはわかりません。Intelはここ数年8月にモバイル向けCPUをアップデートしているので、年内に登場するのはモバイル向けだけなんじゃないかなと思っています。Rocket Lakeも2020年登場とか言って最終的に今年の3月まで伸びたわけだし、Alder Lakeもどうせ来年の今頃に登場するのでしょう。

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第6世代以降のラインナップ・第8世代がカオスすぎる

長らく続いたSkylakeの世代も、14nmの世代もようやく終わりを告げることになりました。長かった・・・。正直Ryzenが登場した後「Ryzenスゲー」ってなってますけど、それ以降Intelアーキテクチャとプロセスをアップデートしたことはなかったんですよね。Intel 10nmやこの後に続く7nmがどんなものか、期待しましょう!

*1:Raptor LakeかMeteor Lake