錦です。
AnandTechによると、IntelはTiger Lakeの更新版「Tiger Lake-R」を今年中に登場させることを明らかにしました。
今回の発表では、今年Intelは、5つのCPUプラットフォームをリリースすると明らかにしたとのことで、それが「Rocket Lake-S」「Jasper Lake」「Ice Lake-SP」「Alder Lake」「Tiger Lake-R」です。
今回は「Tiger Lake-R」のお話になります。
Tiger Lake-R
「Tiger Lake-S」は「Tiger Lake Refresh」となるプロセッサになる見込みです。製品として存在するのは12~28W帯のTiger Lake-UP3の更新版と、28~35W帯のTiger Lake-H35の更新版になるようです。つまり45W帯のTiger Lake-HのRefresh版はないそうです。
Tiger Lake-Rでは、LPDDR5をサポートするかしないかというところが論点となっているそう。現行のTiger LakeはDDR4-3200とLPDDR4X-4267のサポートにとどまっていますが、Refresh版でLPDDR5-5600をサポートするかもしれません。というのも、現行のTiger LakeでもLPDDR5-5600を検証した可能性があるとのことですが、当時はまだLPDDR5の入手性は低く、コストが高くなってしまうため最終的にLPDDR4Xのサポートにとどめたということのようです。
Tiger Lake-Rでは、そのサポートしていなかったLPDDR5を有効化するということみたいです。LPDDR5-5600は89.6GB/sのピークメモリ帯域幅を持っており、これはDDR4-3200より75%、LPDDR4X-4267より31%高い値になっています。これによってグラフィックスパフォーマンスの向上が期待されます。
ちなみに、IntelはTiger Lakeはアーキテクチャ的にはLPDDR5をサポートしていると明らかにしているのでありえない話ではありません。
登場時期
で、問題が登場時期です。今年後半にはもう「Alder Lake」が迫っています。最近Intelは晩夏から初秋に新しいモバイル向けの省電力プロセッサを発売する傾向にあります。順当に考えると、今年はAlder Lakeのモバイルプロセッサがこの頃に登場することになります。
しかし、Tiger Lake Refreshの情報も新たに登場しており、複雑な状態になっています。
AnandTechは、Alder Lakeの提供の準備が整っている状態でTiger Lakeをアップデートするのはおかしいと指摘しており、Alder Lakeのモバイルプロセッサが年末まで登場しない可能性を指摘しています。これはすなわち、第12世代はモバイルプロセッサより先にデスクトップ向けのプロセッサが先に登場するということでしょうか。Alder Lakeのモバイルプロセッサはほぼ確実にLPDDR5をサポートします。