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Apple、第2世代Apple Silicon「Apple M2」を発表 〜 GPUのコア数増えが35%高速に

錦です。

AppleWWDCの基調講演にて第2世代Apple Siliconとなる「Apple M2」を発表しました。

Apple M2

Apple M2は、第2世代目となるApple Siliconで、Apple M1の後継となるSoCです。従来どおりSystem-on-Chip構造を採用し、CPUとGPU、そしてNeural Engineを始めとした各種アクセラレータやコントローラが一つのチップに収められているほか、メモリもユニファイドアーキテクチャによって統合されています。

Apple M2のパッケージ写真

グレードとしては、MacBook Airなどのエントリ向けで、おおよそM1を置き換える存在となります。製造プロセスは第2世代5nm(おそらくTSMC N5P)。

M1とM2のサイズ比較

トランジスタ数は、M1の160億から25%増加した200億基となっています。ダイの大きさ自体はそこまで大きくなっているわけではなさそうで、多分Apple M1とソケット共有してるんじゃないかと。

CPU

ではCPUを見ていきます。

CPU構成

アーキテクチャの更新については語られていませんが、製造プロセスを見るに、おそらくApple A15の「Avalanche」「Blizzard」の構造が採用されていると見られます。

コア数は変わらず、性能コアが4コア、効率コアが4コアの計8コア。

キャッシュが若干強化されており、高性能コアではL1命令キャッシュ・データキャッシュは変わらないものの、共有メモリが12MBから16MBに強化されています。効率コアはそのままのようです。

同じ消費電力でのM1とM2の性能比較(横が消費電力・縦が性能)

性能面では、Apple M1と比較して同じ消費電力帯で18%性能が向上。これは単純な性能向上幅となり、CPUの性能上昇幅は18%であるということを意味しています。

Core i7-1255UとApple M2の電力効率

競合他社で比較すると、グレードが同じ15W帯のAlder Lake-U15Core i7-1255U(2P8E12T)との比較において、同じ消費電力で1.9倍の性能を発揮すると主張。その他、28W帯であるAlder Lake-Pの「Core i7-1260P」(4P8E14T)との比較では、同じ性能を1/4の消費電力で発揮するとしています。


今回の性能向上は内部アーキテクチャの改良もあるでしょうけど、キャッシュ容量が増えたのも要因かもしれません。A13からA14みたいな性能のジャンプアップはありませんでしたが、順当な性能進化といった感じでしょうか。まいどまいど大型アプデは逆に耐えられないでしょう。

GPU

今回最も性能が上がった部分はGPUです。GPUのコア数が最大8コアから10コアに増加しました。

性能は3.6TFLOPSで、内蔵GPUとしてはそれなりの性能を持っていることになります。Appleの公称では1秒間に550億ピクセルの処理ができるようになっているとのこと。

M1とM2のGPU性能の比較

Apple M2のGPU性能は、同じ消費電力でM1より25%性能が高くなっています。また、消費電力は高くなるものの、M2のGPU最大性能はM1より35%高くなるとのこと。

Core i5-1255Uの内蔵GPUとM2の比較

競合他社では、16GB RAMシステムで、Core i5-1255Uと同じ消費電力帯でM2のほうが2.3倍性能が良いと謳っています。また、性能を揃えるとM2のほうが1/5の消費電力で性能が発揮されるともしています。

Neural Engineとアクセラレータ

新しいNeural Engineでは、1秒間に15.8兆回の演算が行えるようになっており、M1から40%向上しています。

また、メディアエンジンは、8K H.264またはHEVC(H.265)のビデオに対応する高帯域なビデオデコーダを搭載。ProResエンジンも搭載され、4Kや8Kを複数ストリーム再生できるようになっているそうです。

また、Image Signal ProcessorISP:加増信号プロセッサ)も強化され、ノイズ低減能力が向上。

RAM

メモリはM1同様ユニファイドメモリアーキテクチャに基づく統合メモリですが容量が最大24GBになっています。

帯域はM1が68GB/sだったのに対してM2では100GB/sとなります。

メモリインターフェイスは128bitでLPDDR5にアップデート。LPDDR5をAppleが採用した例はApple M1 Pro/M1 Max/M1 Ultra以外では無く、このグレードでは初めての採用です。

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