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第14世代Core「Meteor Lake」ではモバイルプロセッサ向けで3種類のコアを搭載するとの情報 〜 iGPUはXe-LPGに

錦です。

Igor's LABがIntelの第14世代Core「Metor Lake」のモバイル向けラインナップにについての情報を伝えています。

Meteor Lake

Meteor Lakeは、現行のAlder Lakeの後継、Raptor Lakeの更に後継となる第14世代Coreプロセッサとなるシリーズです。Intel 4プロセスを採用する初めてのコンシューマ向け製品となる見込みで、タイル構造と呼ばれるマルチチップレットのような機構を用いたプロセッサとなっています。分割される機構はCPU・GPU・SoC・I/O。この内CPUはIntel 4で製造され、GPUTSMC N3で製造されることが明らかになっています。

Coreの進化の中では一応メジャーアップデートという事になっているようで、存在自体はRaptor Lakeよりも早い、昨年春の時点で公式に発表されていました。

そんなMeteor Lakeの話です。

3種類のCPUに

Alder Lakeでは、Intel Hybrid Technologyと呼ばれる技術が採用され、Pコア(性能コア)と、Eコア(効率コア)が同梱されています。Pコアは消費電力が高い代わりにクロックが高く、キャッシュも大容量で性能が高いです。一方で、Eコアは性能が低い代わりに低消費電力で動作します。Pコアではメインのタスクを行い、EコアではOSなどのバックグラウンドの作業を行うとのこと。ちなみにIntelによれば、裏でBlenderなどで書き出し作業を行っていても、表側で別の高負荷な作業をサクサクこなせるらしいです。

Alder Lakeではこれらを最大8コアずつ、計16コアもの物理コアを搭載し、大幅に性能が向上しました。

今回の情報によると、Meteor Lakeのモバイル向けプロセッサ(Meteor Lake-H/P/U)では、Eコアよりも更に省電力なE LPコアを搭載するとのこと。LPは間違いなくLow Powerの略でしょうね。

三種類のCPUを搭載するという方式は、QualcommSamsungで取り入れられており、プライマリコア・パフォーマンスコア・効率コアと言う風になっています。この場合、コアはプライマリにCortex-X2、パフォーマンスにCortex-A710、効率にCortex-A510が採用されています。それぞれの関係でいうと、X2はA710からキャッシュを増やしてクロックを上げたコア、A510は別のアーキテクチャとなっています。

一方でIntelのHybrid Technologyの場合、PコアにはCore系統の「Golden Cove」が、EコアにはAtom系統の「Gracemont」がそれぞれ採用されています。そもそもIntelの場合、Atom以外に省電力向けCPUアーキテクチャがないため、ELPコアはおそらくはEコアから色々削減されたものになりそうです。つまり、実際にメインのタスクで用いられるのは、Pコアのみ、ELPがどんな働きをするかは不明ですが、Snapdragonとはまた違った動き方をしそうな気がします。

ちなみに、ELPが搭載されても搭載される先はCPUタイルではなく、SoCタイルであるとのことで、そう考えればCPU全体の汎用アクセラレータとして動作する可能性がありますね。ちなみに搭載されるLPEコア数は2コア。この2コアがCPUのコア数にカウントされるかどうかは不明です。

メモリとI/O

今回判明した点として、メモリもあります。メモリは、DDR5-5600を最大96GBまで、LPDDR5またはLPDDR5X-7467を最大64GBまでサポートするとのこと。もし、このメモリ仕様最大でメモリが搭載された場合、帯域はDDR5で最大89.6GB/sに達し、LPDDR5では、119.472GB/sに達することになります。

特に、メモリの最大容量がDDR5のみとは言えど上昇しているので、Meteor Lake-Sでも少し期待してしまいます(ただ、Xeon Wらへんと競合しそうだからやらないと思いますけどね)。少なくとも、DDR5-5600のサポートは期待できそうですね。

そして、I/O面ですが、Meteor Lakeのモバイル向けラインナップは一律でPCIe 4.0を24レーン持っており、Meteor Lake-HのみPCIe 5.0を8レーンサポートしています。また、最大4ポートまでのThunderbolt 4に対応するとのことです。

GPU

では、最後にGPUの話をします。タイトルでiGPUと表現していますが、IntelはタイルGPUということでtGPUと表現しているのでそれを踏襲します。Meteor LakeのtGPUはXe-LPGとなる模様。Alder LakeのiGPUはXe-LPとなっています。

LPとLPGの主な違いとしては、LPはXeアーキテクチャの低電力向けコアであるのに対して、LPGは、Intel Arcと同じアーキテクチャを用いているという点。一応根本のアーキテクチャはAlchemistで統一されているようですが、多少ゲーム向けみたいです。実行ユニット(EU)数は、最大で128基。Alder Lakeでは96基だったので大幅増です。

M3次第でAppleを上回る

IntelAppleはモバイル向けプロセッサで実施的な競合となっています。現時点での勝敗は、CPU性能は僅差でIntelの勝利、GPU性能はAppleの勝利、電力効率は圧倒的にAppleが上回っています。

Apple M3でのAppleの出方次第ですが、タイミングとM3次第ではAppleをMeteor Lakeがすべての面で上回る可能性があります。ちょっと面白くなってきましたね。

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