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GeForce RTX 3080 Ti、マイニング制限を突破して最適化したときのハッシュレートはRTX 3090に匹敵する可能性

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錦です。

一つ前のエントリでRTX 3080 Tiの仕様についてお話しましたが、このエントリではマイニングについてです。

先に、RTX 3080 Tiの仕様の表を貼り付けておきます。

RTX 3080 RTX 3080 Ti RTX 3090
コア GA102-200 GA102-225 GA102-300
トランジスタ 283億 283億 283億
CUDAコア数 8704 10240 10496
SM数 68 80 82
RTコア数 68 80 82
Tensorコア数 272 320 328
TMU 272 320 328
ROP 96 80 82
ベースクロック 1440MHz 1365MHz 1400MHz
ブーストクロック 1710MHz 1665MHz 1700MHz
メモリ 10GB
GDDR6X
12GB
GDDR6X
24GB
GDDR6X
メモリバス 320bit 384bit 384bit
帯域幅 760GB/s 864GB/s 936GB/s
メモリ速度 19Gbps 19Gbps 19.5Gbps
消費電力 320W 350W
リリース状況 発売済み 5月? 発売済み

では、RTX 3080 Tiのマイニングの話です。

結論から言うと、マイニング制限がない(突破された)状態でのRTX 3080 Tiのハッシュレートは118.9MH/sになるそうです。RTX 3090が121MH/sなので、それにほぼ匹敵するハッシュレートになります。ただし、この性能はTDP 278W、メモリクロック21.4Gbpsというふうに最適化されたあとのハッシュレートになるほか、マイニング制限が施される前のモデルとなっています。実際の製品にはマイニング制限が施されているのでこの数値が出るかは不明です(詳しくは後述)。

また、RTX 3080 Tiにもマイニング制限が導入されていて、かつRTX 3060のときよりも強化されている可能性があります。ここから先は既出の情報をまとめていきます。

RTX 3080 Tiのマイニング

RTX 3080 TiはNVIDIAがマイニング制限を初めてから登場する2製品目のGeForceとなっていて、RTX 3060とは違いハイエンド帯のGPUです。よって注目しているマイナーの方も多いと思われます。

RTX 3060で初めて導入されたマイニング制限は、その後 改造されたドライバやNVIDIAが誤って公開してしまった制限を突破できるドライバによってほぼ意味を成さないものに成り下がっています。しかし、その後の情報で強化されたマイニング制限がGeForceに施される可能性が指摘されています。

nishikiout.hatenablog.com

こちらの記事で詳しく制限について説明していますが、GPUコアを変えて既存のドライバが動作しない状況を作るとのこと。どういうことかというと、すでに存在している改造されたドライバや公式のドライバを含めて既存のドライバは、今後流通するすべてのGeForce RTX 30シリーズのGPUで動作しないようになります。

GPUコアを変えるというのは、具体的にはすでに発売されているRTX 3090やRTX 3080などのGPUも仕様を変えずにマイニング制限だけを強化した形でマイナーアップデートを施すということです。実際RTX 3060では新しいコアが明らかになっていて「GA106-300」が「GA106-302」に変更されるそうです。この変更は同様にRTX 3060 Ti/3070/3080/3090でも施されるとリークされています。

またGPUコアの変更による制限の強化は、BIOSについても強化されていて、すでに流通しているBIOSは、公式なものも含めてすべて変更後のGPUコアでは動きません。例を上げると、GA106-302向けに作られたBIOSはGA104-300でも使えますが、GA104-300向けに作られたBIOSをGA104-302には適用できません。そして、GA104-302向けに作られたBIOSはマイニング制限が加えられているので...というわけです。簡単に言うと、BIOSはマイニング制限がかかっていない過去のファームウェアを導入できないようになるというわけです。

RTX 3080 Tiも同様の変更が加えられているそうです。そもそも「GA102-225」はマイニング制限がないモデルである可能性があり、実際に製品化されるのはマイニング制限が強化された仕様は同じの別のGPUコアである可能性があります。「GA106-302」が300から+2で命名されているので「GA102-227」のようなGPUコアに変更されるということです。実際、今回リークされた画像の日付は強化されたマイニング制限が導入される前である可能性があると指摘されており、118.9MH/sという数値も実際の製品ではかなり難しい数値になる可能性があります。

参考:VideoCardz