錦です。
VideoCardzによると、NVIDIAはボードパートナーに対してAmpere GPUの新たな情報を提供したとのことです。
Ampere GPU全体へのマイニング制限
GeForce RTX 3060にて、ソフトウェアレベルのマイニング制限を導入していたNVIDIAですが、マイニング制限回避のドライバが公式から誤リリースされて以降はそれは意味をなくしました。
その後、GeForce RTX 3060のコアが「GA106-300」から「GA106-302」に変更されることと、その画像がリークされました。このGA106-302では、新たな仕組みとして、既存のドライバやファームウェアが使えなくなるというアップデートが加えられており、これまでのマイニング制限の回避方法が一切効かなくなっている上、新たなGPUでは回避も難しくなっているとされています。
画像がリークされたのはGA106-302だけでしたが、実際にGPUコアが変更されるのはRTX 3090・RTX 3080・RTX 3070・RTX 3060 Tiといった既存のGPUでも実施されるとのことで、RTX 3090は「GA102-302」、RTX 3080は「GA102-202」、RTX 3070は「GA104-302」、RTX 3060 Tiは「GA104-202」*1というふうに変更されるとのこと。
NVIDIAは、新しいマイニング制限が導入されたGPUを「Lite Hash Rate」と読んでいますが、これはあくまでもボードパートナーに説明するための名前で、NVIDIAが一般向けの広報でこの名前を使うことはないとのこと。
このGPUの変更によって、ResizableBARがネイティブで対応します。
RTX 3090は対象外に?
RTX 3090もGPUコアの対象になっていますが、VideoCardzの情報源によると、カード自体が高価であるが、このSKUでのマイニングの収益性は低いためマイニングにそもそも利用されていないという事情から「GA102-302」にはマイニング制限は導入されていないとのこと。
もしこの情報が正しければ「GA102-302」はResizableBARのサポートのみの変更になる見込みです。
他の性能の変化はない
NVIDIAは、ボードパートナーに対して「Lite Hash Rate」でも、すでに市場に出回っているカードと同じパフォーマンスを発揮すると強調したとのこと。つまり、マイニング性能は低下するが、ゲーミング性能などその他の性能には影響しないということのようです。
時期と発表
出荷開始時期は5月中旬となっています。あくまでもGPUの出荷の開始で、実際にカードが発売されるのは5月末から6月上旬になると見られます。おそらく、GeForce RTX 3080 Tiと同じタイミングで登場することになるのでしょう。
あと、マイニング制限の範囲の拡張は「CMP HX」シリーズの展開が前提なはずなので、普通に考えれば「CMP 30HX」と「CMP 40HX」が同じタイミングで登場させるのが妥当です(というかそうしないとマイナーの怒りをかうことになりそう)。
あと一つ気になるのは「発表」です。一応、性能の意図的な劣化なので、発表しないと訴訟起こされたときにまずいと思うんですけど、VideoCardzの記事では「静かな発表(quiet launch)」と表現しており、何も前触れがなく急に変更されることになるかもしれません。
これで、GeForceの供給状態が改善するといいんですが・・・。
ちなみに、GPUが「Lite Hash Rate」モデルかどうかは、GPUの状態を見れるツールなどで確認できるようになるはずです。
*1:VideoCardzの記事中ではGA104-202と書かれているがおそらく誤字